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自己効力感の低い人が陥っている「症候群」の正体 成果重視の人は、自分は力不足だと思う傾向

東洋経済オンライン / 2024年10月11日 18時0分

むしろ、自信をなくす出来事のほうが多い中で、いかにそれを糧にリカバーして自信にしていけるかが問われています。

自信を妨げるインポスター症候群

昨今、ビジネスパーソンが自信を持てない要因の一つに「インポスター症候群」が挙げられています。

インポスター症候群とは、自分の能力や実績を認められない状態を指します。仕事でうまくいっても、周囲から高く評価されても「これは自分の実力ではなく、運が良かっただけ」「周囲のサポートがあったからに過ぎない」と思い込み、自己を過小評価してしまう傾向のことです。

インポスター(impostor)は詐欺師、ペテン師を意味する英語です。仕事でうまくいっても自分のキャリアは“まがい物”だと後ろめたく感じて、自分には能力がないと不安に感じるのが特徴です。

組織行動学のアンディ・モリンスキー教授は著書の中で、スターバックスの会長、社長、CEOを歴任したハワード・シュルツは、「CEOに就任するすべての人が不安を感じていて、自分がこのポジションにふさわしいという自信を持っている人はめったにいない」と述べています。

心理学者のキャロル・ドウェックによると、この症状に悩む人は、成果を重視する人が多いといいます。成果重視の人は、自分は力不足だという気持ちになる傾向があります。失敗すると自己の限界を強く感じてしまうため、自分はこの仕事にふさわしくないという懸念が増幅し、自信を喪失するのです。

前出のアンディ・モリンスキーは、インポスター症候群を克服するには、「成果重視」から、その体験から自分が何を学べるかに意識を向ける「学習重視」の発想に変えることが効果的だとすすめています。

「学習重視」の発想になれば、失敗は力不足の証拠とはならず、学習につきもののプロセスとして自分を成長させてくれると捉えることができるからです。

企業でも、とても仕事ができるのに自信が持てず、インポスター症候群だと自覚されている人が少なくありません。

そのような人の多くは、自分の価値を外的要因に左右されやすい仕事の成果や能力、資格などで支える傾向があります。そのため、仕事の成果が上がらなかったり、能力がないと思えることがあったりすると、一気に自分への評価が低くなり自信をなくしてしまうのです。

自己肯定感の研修でインポスター症候群の傾向が改善されるケースが多くあります。それは外的要因に左右されない自分にゆるぎない価値を見いだしていくからです。

ビジネスの現場で求められているもの

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