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いつもと違う「肩こり」で女性が抱いた"嫌な予感" たかが肩の痛みと"あなどってはいけない"ワケ

東洋経済オンライン / 2024年10月13日 8時20分

しかし、尿検査や血液検査、さらにCT検査をしても原因は不明。処置室で痛み止めの点滴と抗菌薬の点滴を打ってもらうも、担当医からは「自宅で1日様子を見てほしい」と言われてしまい、家に戻るしかなかった。

ところが、その翌日も、痛みはよくならなかった。

「この痛みから一刻も早く解放されたい」

わらにもすがる思いで鈴木さんが頼ったのが、インターネットだった。横になりながらスマートフォンで自身の症状を入れて検索した結果、可能性のある病気として挙がったのが「腎盂腎炎(じんうじんえん)」だった。

腎盂腎炎は泌尿器に起こる感染症の一種。尿の通り道である尿道口から侵入した細菌が、体内で増殖して炎症を起こした状態をいう。膀胱に炎症が起これば膀胱炎、奥にある腎臓の一部、腎盂(じんう)で炎症が起これば腎盂腎炎となる。

「ネットでは腎盂腎炎の特徴として『背中の痛み』『発熱』、さらに38度以上の発熱などと書かれていました。『これかもしれない!』と思いましたね」(鈴木さん)

腎臓内科のあるクリニックを探し、受診した。

診断結果は予想通りだった。

尿検査では炎症反応を表す白血球の数が異常値を示し、ほかの複数の数値も異常値を示していた。再度、画像検査で確かめたところ、左側の腎臓で炎症が起きていた。左の脇腹の症状が強かったのは、そういう理由からだった。

担当医は鈴木さんに対し、すぐに抗菌薬と痛み止めの点滴を投与した。

「そうしたら少しずつですが、痛みがやわらいできました。点滴が終了する1時間後には、マックス10だった痛みが、6くらいまでに改善しました」(鈴木さん)

その後、担当医からは、「緊急度がかなり高い重症の腎盂腎炎」で、「放っておいたら細菌が全身にまわり、敗血症で命の危険が生じるところだった」と、説明を受けた。

なお、本来なら入院治療が必要なところ、鈴木さんは小さい子どもがいることから、通院で点滴治療を続けることが許された。治療経過は順調で、2日目には痛みが0になり、平熱に。3日目には尿検査や血液検査の数値も大きく改善、1週間後には基準値に戻り、担当医から「もう大丈夫です」と言ってもらえた。

鈴木さんが今、気をつけていること

鈴木さんは今、「二度とあのような思いをしたくない」と、気をつけていることがある。“トイレで排泄したあとのおしりの拭き方”だ。

腎盂腎炎の原因となる細菌の80%は大腸菌、20%は尿の出口付近に常にすみ着いている細菌だ。大腸菌は肛門付近に集まっていて、便の排泄時に肛門から前に向かって拭くと、大腸菌が膀胱に侵入しやすい。このため、予防策として「前から後ろに向かって拭くこと」が勧められている。

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