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炎上した「移住婚」宇都宮には女性が殺到したワケ 女性の流出が止まらぬ地方自治体に残された課題

東洋経済オンライン / 2024年10月13日 10時0分

宇都宮で開催された「移住婚バスツアー」でのカップル成立の瞬間。中央は、ガイドを務めた、地方創生・結婚応援事業アドバイザーの荒木直美さん(画像:宇都宮ブランディングアライアンス提供)

今年8月、政府は、東京23区に在住もしくは通勤する未婚女性が結婚のために地方へ移住する場合、自治体から60万円の支援金を出すという制度を検討していると発表しました。

【写真】宇都宮で大盛況だった「移住婚バスツアー」に集まった男女の様子

もともと2019年度から、地方移住への支援金制度は始まっていました。

東京23区に在住もしくは東京圏(東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県)から23区内に通勤する人を対象に、地方に移住して起業や就業する場合、男女問わず単身者であれば最大60万円を支援しています。2023年度までに約1万6000人に支給されたといいます。

しかし、今回は「未婚女性」に限定した制度ということで、「差別だ」と批判が殺到したのです。発表から3日ほどで撤回される事態となりました。

地方は女性のほうが流出している

なぜ“移住婚”の支援が必要とされたのでしょうか。その理由を「地方では“男性余り”が深刻」だからだと話すのは、50以上の地方自治体と連携してきた実績がある、地方創生・結婚応援事業アドバイザーの荒木直美さんです。

「進学や就職のタイミングで故郷を離れて都会に出てくる若者はたくさんいます。そして多くの都道府県で、女性のほうが男性より多く流出する傾向にあるんです。特に北関東、東北、北海道は男性余りが顕著だと言われています。

独身男性より独身女性が圧倒的に少なければ、その土地の婚姻数を増やせません。移住婚支援は、就職や進学で地方を離れた女性を対象にして、結婚のタイミングでUターンも検討してもらおうというものでしょう」

実際に、内閣府男女共同参画局の調査によると、もう10年以上、10代〜20代の女性の転出超過数の割合が、同年代の男性の割合よりも高い状態が続いているといいます(令和5年度の報告)。

つまり今回の支援制度は、女性を優遇するためではなく、地方に住む独身男性のためでもあったということです。

荒木さんは昨年、宇都宮ブランディングアライアンス(宇都宮市と宇都宮商工会議所、一般社団法人宇都宮観光コンベンション協会の3団体によって、昨年度に設立)が主催する、首都圏在住の女性と宇都宮在住の男性を対象にした「移住婚バスツアー」のガイドを行いました。

女性からは定員を超える申し込みがあり、抽選になるほどだったそうです。参加者30人で8組のカップルが誕生しました。

東京から100km圏内の移住婚なら「あり」?

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