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CR-Vは燃料電池車の「死の谷」を超えていけるか? クルマの出来は上々だが燃料電池普及の道は…

東洋経済オンライン / 2024年10月14日 8時30分

2社の関係は2013年から始まり、その成果がホンダでいう「第2世代・燃料電池システム」として結実。2社の合弁企業、フューエル・セル・システム・マニュファクチャーリング(ミシガン州ブラウンズタウン)で、2024年1月から燃料電池システムの生産を開始した。同施設では、 CR-V e:FCEVの最終組み立ても行う。

今回の試乗会場でホンダに確認したところ、生産能力は年間約600台で、このうち日本向けは70台とのこと。この数字だけ見ると、ホンダにとっての燃料電池車は「死の谷を越えていない」という印象を持つかもしれない。

ただし、燃料電池システムのコストは、先代のクラリティと比べて1/3まで下がっている。さらに今後、燃料電池システムの外販(B2B:事業者間取引)に注力することでの量産効果も期待されているのだ。

ホンダが2023年2月に公開した水素関連事業のロードマップでは、燃料電池システムを乗用車のみならず、トラックなどの商用車、定置型電源、そして建設機械向けにも外販し、2025年に2000基/年、2030年には6万基/年の需要を見込むとしている。

さらに、グローバルで「量産車の100%をEVまたは燃料電池車にする」と宣言している2040年に向けては、数十万基/年を目標に掲げているのだ。

また、2030年代以降の燃料電池は、現在GMと研究開発中の第3世代となり、第2世代と比較してコストを半減し、耐久性を向上させるという。

果たして、こうしてホンダが描くような“燃料電池車の未来”はやってくるのだろうか。仮に普及したとして、その中で乗用FCEVの比率はどの程度になるのか。

燃料電池は長時間の連続稼働に向いており、大型ディーゼルエンジンの代替にも適しているといえる。こうした領域では、EVなどバッテリー事業との差別化がしやすい。

一方で、乗用領域では、各種バッテリーの技術進化とコスト削減、また充電インフラの拡充などにより、旧来の「EVは短距離移動向け、FCEVは長距離移動向け」という考えが通用しなくなってきた。

そうした状況で世に出た、ホンダCR-V e:FCEV。開発責任者の生駒浩一氏は、試乗の合間の意見交換の中で、「水素が(世の中で)どのように使われるのか。(また、人々が)水素をどう使いたいのか、そうした考え方が混じり合っている状況」だと、FCEVを取り巻く環境を表現した。

そして、「FCEVが(世の中に)さらに広がっていくのか、今はその瀬戸際にいる」という見解を示す。

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