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平井一夫「自分に合う会社はどうやって探すのか」 平井氏がCBS・ソニーへの入社を決めた理由

東洋経済オンライン / 2024年10月15日 9時30分

違いが見えてくるというのは、個々の企業に対する理解度が上がるということ。そして理解度が上がれば上がるほど、あなたの優先順位とのすり合わせもしやすくなり、「その時点での最良の選択」ができるというわけです。

ちなみに私の場合、志望業種を自動車業界と音楽業界に絞った末に、内定を頂けた4社のうちCBS・ソニー(現在のソニー・ミュージックエンタテインメント)に決めた理由の1つは、「社風が一番自由そうだから」でした。

アメリカやカナダ、さらには日本のアメリカン・スクールで過ごしてきた私は、海外在住歴が長かったからこそ、「将来は日本で、日本人として生きる」と心に決めていました。

しかし、それと同じくらい、旧来の日本の価値観でガチガチの環境は窮屈で生きづらいとも感じていたのです。アメリカでもよそ者、日本でもよそ者、どこに行っても「異邦人」という意識が常にありました。

だから、日本企業で働きたいのはたしかだけど、アメリカのように自分の意見や希望を躊躇なく表現できる自由闊達な環境がいい。その点ではCBS・ソニーが一番合いそうだと、企業訪問をしたときから思っていました。

ソニー・ミュージックエンタテインメントは今や、多様な事業を手掛ける大企業になっていますが、私が就職活動をしていた1984年当時、CBS・ソニーだったころは、比較的若い会社で、ベンチャースピリットにあふれていました。社会経験のない当時の私の目にも「何でもやってみよう」という若々しい勢いが見て取れたし、ユニークな人も多そうでした(実際、入社してみたら、ユニークな人だらけでした)。

就職先をCBS・ソニーに決めたことには、自動車メーカーか音楽業界かで迷っていたときに、父親から「これからはハードではなくソフトの時代だ」というアドバイスをもらったことも関係しています。

ただ、一番の決め手となったのは、やはり、その自由そうな社風でした。先に挙げた3つの基準でいうと、「バリュー」の点で自分の優先順位と合致したことが大きかったのです。

「ミッション」「ビジョン」「バリュー」に着目する

企業の「ミッション」「ビジョン」「バリュー」とあなたの優先順位を照らし合わせて、働く会社を選ぶとなると、当然ながら、この3つが企業側から示されている必要があります。

人を新たに採用しようとしているのだから示されていて当然かと思いきや、実態はそうでもありません。

「ミッション」「ビジョン」「バリュー」が不明瞭だったり、示されていてもスローガンのように掲げられているだけで有名無実化していたり……。残念ながら、そういう企業も多いようなのです。

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