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平井一夫「自分に合う会社はどうやって探すのか」 平井氏がCBS・ソニーへの入社を決めた理由

東洋経済オンライン / 2024年10月15日 9時30分

私は企業のマネジメント層向けの講演を依頼されることも多いのですが、「上層部では共有されている理念や企業文化が、現場の社員にまで浸透していない」といった悩みをよく耳にします。

社員一人ひとりにまで浸透していなければ、それは上層部の自己満足にすぎず、「我が社のミッション、ビジョン、バリュー」として掲げることはできないでしょう。厳しい見方かもしれませんが、そう言わざるを得ません。

現場で働いている人たちから直に話を聞く

今は転職が当たり前になっているとはいえ、やはり「最初にどんな企業で働くか」は、その後の仕事人生にも大きなインパクトを与えるくらい重要です。よくも悪くも、最初の会社で社会人としての基礎が築かれるからです。

そうであるからには、選択の基準となる「ミッション」「ビジョン」「バリュー」は何か。それらは有名無実化したスローガンではなく、実態を伴うものとして企業に根付いているのかどうかを、はっきりさせておきたいところです。

その格好の機会は企業訪問でしょう。基本的に人事部や上層部が行う採用面接とは違い、企業訪問は、現場で働いている人たちから直に話を聞けるチャンスです。

「働きやすいか」「上司とはどういう関係か」「残業はあるのか」など、素朴に気になることを聞いてもいいのですが、せっかくの機会です。「企業案内を読むと、こういうスローガンが掲げられていますが、どういうことだと思われますか」「ここで働くことに、どんな意義を感じていらっしゃいますか」など、もっと根本的なこともどんどん聞くといいでしょう。

イキイキと自分の言葉で語ってくれるか

企業案内でわかるのは、あくまでも、その企業の「こうありたいという理想像」です。では実際のところはどうなのか、というのは現場を見てみないとわかりません。

企業として「こうありたい」という理想像が現場でも共有されており、かつ一人ひとりがスローガンの棒読みではなく、イキイキと自分の言葉で語ってくれたなら、その企業の「ミッション」「ビジョン」「バリュー」は企業文化として根付いていると見ていいでしょう。

でも、もし「そんなのは上層部が勝手に言っているだけ」「たまに社長が訓示で言うだけ」などといった答えが返ってきたり、スローガンを読み上げているだけに聞こえたりしたら、現場には浸透していないと見たほうがいい。いくら企業案内の内容に共感していても、入社してから失望する可能性が高いでしょう。

就職戦線が厳しいと焦りが募るのはわかります。理想と現実の狭間で妥協点を探るという難しさに20歳そこそこで直面するとは、なんと過酷なことかとも思います。

それでも、大事な社会人初期を過ごす会社はシビアな目で選択したほうがいい。あとあと「こんなはずじゃなかった」と後悔しないために、なるべく最良の第一歩を踏み出せるよう、ぜひ、ここで述べた3つの基準を念頭に判断してください。

平井 一夫:ソニー元CEO、 一般社団法人プロジェクト希望代表理事

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