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日本人衝撃「米国での心臓手術」で見た驚きの光景 日本人ならそんなこと絶対にしない…!

東洋経済オンライン / 2024年10月15日 17時0分

例えば手術中、 看護師に「メス」と言ったところ、メスではなくハサミを渡されることがある。外科医という生き物はどこまでもわがままであり、つい「状況的にメスが適しているなら、仮にハサミと聞こえたとしても、機転を利かせてひと言『メスでいい?』と聞いてくれたらいいのに」と思ってしまう。しかし、ここには日本人とアメリカ人の違いがあるのだ。

一般的に日本人は、言葉でしっかり説明されなくても、あるいは多少聞き取れなかったとしても、そのときの状況や背景を読み取って適切に判断・理解する能力に優れている。私も状況を読む力には定評があり、もし騒がしい店で上司とふたりで食事をしていて、上司の言葉がひとつも聞き取れなかったとしても、何事もなかったかのように食事会を終えることができる自信がある。

一方、アメリカで働く人は、伝えたいことを言葉にするいわゆる“プレゼン能力”が高く、さらに得体の知れない自信に満ち溢れている。

ある日、ICUでふんぞり返って座っている髭モジャモジャ医師が「今日は俺が当直だから任せてくれ。俺のやり方で治療しておくぜ」と言ってきたので、新しく赴任した熟練のドクターかなと思っていたら、大学を卒業したばかりの何も知らないペーペーだったということがあった。

なぜあんなに余裕で、自信満々で髭モジャでいられるのかとても不思議である。英語を公用語にするだけあって、エゴが強いのかもしれない。

アメリカで働くうえで必要な英語力

ちなみに、アメリカで働いている日本人医師50人にアンケートを取ったところ、TOEFL(英語を母国語としない人々を対象にした英語試験)の点数が、120点満点中100点以上である人がほとんどだった。これは相当高い点数である。

さらに驚くのが、そのうち約80%の医師が「学生時代にもっと英語を勉強すればよかった」と言っているということ。それだけ英語ができる人たちでも、さらに英語の勉強が必要だと思っているということだ。

たしかに、医者は、患者や看護師、ほかの医師やスタッフなどとコミュニケーションをとることで仕事が成り立っているため、ある程度の英語力は大切になる。

しかし、英語ができないからといって、決してアメリカで働けないというわけではない。この通り、私はアメリカで心臓外科医として働いているが、TOEFLの点数は48点であった。GOOD LUCK。

北原 大翔:シカゴ大学心臓外科医・NPO法人チームWADA代表理事

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