「お手本となる人がいない職場」で自信を持つコツ ロールモデルを見つけ成功への道筋を明確にする
東洋経済オンライン / 2024年10月15日 11時0分
自分のスキルや能力に「自分ならできる」と思える感覚である「自己効力感」。これは、スタンフォード大学で提唱・研究され、科学的に高められることが実証されています。自己効力感を高める4つのアプローチのうち、身近な成功例を見て、自分も成功できると信じる力を育てる「代理体験」についてお伝えします。
自己肯定感を土台に「根拠のある自信」を高める具体的な方法を紹介した、工藤紀子さんの著書『レジリエンスが身につく自己効力感の教科書』より一部抜粋・再構成してお届けします。
内発的動機付けになる「代理体験」
子どもの頃、自転車に乗るのが怖かったけれど、友達が上手に乗れているのを見て「私もできるかも!」と思った経験はありませんか?これがまさに代理体験です。
「代理体験」とは、他の人の成功体験を目の当たりにして、「あの人ができたのなら、自分にもできるかもしれない」と感じることです。これを体験することで、「自分には無理かも」という否定的な思考を変え、より積極的な行動に促されます。
また、お手本にしたい人をロールモデルとして見ることで、その人の行動や成功の道筋を学び、自分の行動に生かすことができます。
冒頭の自転車の代理体験は、自転車に乗る練習をする能動的な動機となり、何度も挑戦することで最終的には自転車に乗れるようになります。このプロセスは外部からの強制や、やらされている感覚ではなく、自分自身の内から湧き上がる内発的動機付けが原動力となっています。
このように、代理体験は身近な成功例を見て、自分も成功できると信じる力を育てる方法です。これは、「自分もやってみよう」といった新しい挑戦を始めるための動機になります。
職場では、成功した上司や先輩がロールモデルになることが多いです。
例えば、ある先輩が難しい顧客との交渉を上手に進めているのを見たとき、「自分もそれができるかもしれない」と感じることが代理体験です。そこから、どのように準備し、どのように交渉を進めるかを学び、交渉のアプローチや顧客への提案方法など、具体的な行動を観察して、自分に応用して同じようにやってみることで「自分もできた」という成功体験を積み重ねると自信につながります。
職場にお手本となる人がいない場合でも、自分と似た職種や環境で成功している他者の例を探し、その行動を学ぶことが役立ちます。
代理体験は、周囲の成功例に注意を向け、そこから学び、実践することで、自己効力感を高め、キャリアアップにもつながります。
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