"老化のあるある"を克服「適材適所」の筋トレ3選 医師が考案した「1回30秒」の簡単エクササイズ
東洋経済オンライン / 2024年10月15日 8時30分
●原因は大腰筋・前脛骨筋(ぜんけいこつきん)の衰え
原因は大きく2つあり、1つは大腰筋が衰えることで足が高く持ち上げられず、すり足になることです。そして、もう1つは、前脛骨筋と呼ばれるスネの骨(脛骨)の外側に位置する筋肉の衰えです。
前脛骨筋は、つま先を持ち上げたり、足首の動きを安定させたりする働きを持ちます。
ここの筋力が低下すると、足首が安定せずに歩きにくさを感じ、歩く姿勢も悪くなります。足も疲れやすくなるので、長い時間続けて歩くことが難しく、ねんざや転倒のリスクが高まります。
●「つま先上げ」を30秒間でくり返す
「つま先上げ」は、数少ない前脛骨筋を鍛えられる筋トレの1つ。立って行っても、イスに座って行ってもかまいません。背すじを伸ばして両足をそろえ、かかとを床につけて、つま先を上げます。
なるべく高く上げて1秒止めることが効果を高めるポイントです。
“ふんばりがきかない”なら「前のめりでガマン」
●こんな方に
・濡れた路面で「ツルッ!」と滑って、踏みとどまれず転んだ
・段差でつまずき「おっとっと!」と前のめりになって、そのまま転倒した
このような場面で、バランスを失っても転ばないのは、高齢になるほど至難の業です。
筋力が十分な若いうちは、滑ったり、バランスをくずしたりしたとしても、そこからふんばって体勢を整えることができるのですが、筋力が低下した高齢者は、それができずに転倒することが増えます。
●原因は中臀筋・大腿四頭筋・足趾屈筋群の衰え
ふんばるときに大切なのは、中臀筋や大腿四頭筋で、もも上げや足裏キックで鍛えられます。もう1つ欠かせないのは、足趾屈筋群(そくしくっきんぐん)という、足の指の筋肉の強化。
足趾屈筋群が担うのは足の握力のようなもので、足の指で地面をつかむ働きがあります。鍛えると、ふんばれるだけでなく、歩くスピードが速くなり、反対側の足の歩幅が大きくなります。
土踏まずのアーチ(凹み)を維持する筋肉でもあるので、弱ってしまうと土踏まずがなくなった状態である「偏平足」になってしまいます。
●「前のめりでガマン」を30秒間でくり返す
背すじを伸ばして両足をそろえて立ち、ゆっくりと体を前に傾けていきます。そのとき、足の指にグッと力を入れてバランスをくずさないように耐えます(マイケル・ジャクソンのパフォーマンスのように)。
足趾屈筋群が弱い方は、ちょっと前のめりになっただけで、すぐにバランスをくずして足が出てしまうはずです。
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