理解しがたい「他人の行動」心読める行動パターン 人間関係を築く指針となる「愛着行動システム」
東洋経済オンライン / 2024年10月17日 15時0分
愛着理論の専門家であるダイアン・プール・ヘラーは、愛着スタイルはその人がもつすべての親密な人間関係に影響し、とくに快適さと安心感を与えたり、求めたりする方法を左右すると述べている。
愛着スタイルは、ジェントルパワー(やさしさの力)に関する私たちの体験にも直接関わってくる。なぜなら、私たちのパワーと愛への関わり方──パワーを使いすぎたり、手放したりするのはどんなときか、そうするときにどれくらい意識的で正直であるか、愛に対してどれくらいオープンか、どんなふうに他者を思いやるのか──は、愛着スタイルによって決まるからだ。
自分の愛着スタイルを理解すれば、自分の中にある見捨てられることへの不安や、共依存、愛着への心理的欲求が満たされるように他者を操作しようとする方法などが明確になってくる。
愛着スタイルとは要するに、私たちのほとんどが幼少期からもっている、人との関わり方のパターンをいう。幼少期は発達中の自我が、外の世界に適応しながら、その世界の不完全な部分から自分を守る方法を初めて学ぶ時期だ。
そうした関わり方のパターンが人に見られ、緩められることで、それに必要な心的エネルギーをほかの基本的機能に譲れるようになる。愛着スタイルは人生のごく早い時期に形成されるため、大人になってからは、完全には自覚しないまま本能的なレベルで働くことが多い。
だからこそ、そのスタイルを少なくとも基本的に理解していれば役に立つ。自分が出合うあらゆるもの──パワー、愛、葛藤、寛容さ、境界線など──との関わり方に、愛着スタイルは影響するからだ。
少し時間に遅れただけで(自分にとっては大したことではないのに)パートナーがあんなに強いリアクションを見せるのはなぜだろう、もう仕事が手いっぱいなのに、どうして頼まれるとなかなかノーと言えないのだろう、なぜ自分の気持ちに寄り添ってくれない人を親しい仲間に引き入れようとしたんだろう、パートナーの感情的な反応にいつも共感できないのはなぜだろう──そんなふうに思ったことがあるなら、愛着スタイルがそれを理解する手がかりになるかもしれない。
イギリスの精神分析医ジョン・ボウルビィは、部分的にはアメリカの心理学者ハリー・ハーロウの初期の研究をもとにして、愛着理論の大枠を提示した。
ボウルビィの主張によれば、人間の愛着反応は本能的なもので、潜在的な脅威に備えて確実に生き延びられるようにするために、何世代にもわたって脳に生まれつき備わっている機能だという。
この記事に関連するニュース
-
【婚活】「一気に気持ちが冷めてしまいました」 見た目が“どストライク”の女性とマッチングした41歳男性の悲劇
オトナンサー / 2025年1月5日 7時10分
-
"泣き叫ぶ、騒ぐ子ども"には「叱りつける」べきか 本当に"効き目"がある「声かけ」の正解は?
東洋経済オンライン / 2024年12月30日 8時15分
-
「平気で人を害する人」が感じている相手との距離 4つの「心理的距離」が他人への見方を変える
東洋経済オンライン / 2024年12月17日 11時0分
-
はたらく大人の「やる気スイッチ」は3つある…仕事にならない「無気力状態」をするっと抜け出す"切り替え術"
プレジデントオンライン / 2024年12月9日 9時15分
-
子どもが他者を助けられるようになる育て方とは 「自己実現の欲求」のさらに上を目指すために
東洋経済オンライン / 2024年12月8日 14時0分
ランキング
-
1「日本一土地代が高い」新宿・歌舞伎町のバッティングセンターはなぜ潰れないのか? 店が語った驚異の「1日の来場者数」と営業理念
NEWSポストセブン / 2025年1月4日 16時15分
-
2IBM、技術巡る訴訟和解 ラピダス、事業懸念解消
共同通信 / 2025年1月4日 22時33分
-
3USスチール買収阻止、アメリカ政府への訴訟以外に打開策見当たらず
読売新聞 / 2025年1月4日 21時3分
-
4日本人の寿命を圧倒的に縮めるお馴染みの「食品」 うま味調味料を敬遠する人の大きな勘違い
東洋経済オンライン / 2025年1月4日 9時30分
-
5トヨタ・ホンダ・日産、アメリカでHVやSUV好調…トランプ政権下で需要の変化加速か
読売新聞 / 2025年1月4日 18時49分
複数ページをまたぐ記事です
記事の最終ページでミッション達成してください