1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. ライフ
  4. ライフ総合

「血糖値が高い」と気にしている人の重大な盲点 「血糖値の安定」こそが重要な理由

東洋経済オンライン / 2024年10月17日 7時0分

高血糖と同じぐらい、いやもっと恐ろしいかもしれない状態があります(画像:Yotsuba/PIXTA)

医療機関専門のサプリメントメーカーを創業して18年になる田村忠司氏がこのたび「サプリメントの正体〔新版〕」を上梓した。サプリメント業界の裏側、本当に飲む価値のあるサプリ、飲んではいけないサプリを明快に語り、発売直後から大きな反響を得ている。

栄養療法に取り組む医師・歯科医師・医療従事者に向けたセミナーを全国で開催し、そのわかりやすさ、栄養療法の知識の深さで多くの医師から絶大な信頼を得ている田村氏が「血糖値で本当に気にしなくてはいけないことは何か」について語る。

「高血糖よりも怖いこと」とは?

「血糖値が高いから糖尿病が心配だ」

「そんな甘いものを食べたら血糖値が上がるよ」

「血糖値」を気にする人は多いと思います。特に40代以上になると血糖値を心配する方が増加します。

しかしその多くは「単純に血糖値が高いこと」を気にしているのではないでしょうか。

血糖値は血液中のブドウ糖の濃さのことです。身近なところでは、健康診断などで測った空腹時の血糖値を覚えておいででしょう。

確かに血糖値が高いと糖尿病のリスクが高まります。糖尿病になって高血糖状態が続くと、全身の血管にダメージを与えてしまいます。高い濃度のブドウ糖がタンパク質を変質させてしまうのです。

糖尿病の合併症として知られる神経障害、網膜症、腎症は、いずれも血管が傷つけられることによって起こるものです。また脳梗塞や心筋梗塞が起こるリスクも高まります。

ただ、これはよく知られている話なのでご存じの方も多いと思います。

しかし実は高血糖と同じぐらい、いやもっと恐ろしいかもしれない状態があります。それが「血糖値の急激な低下」や「血糖値が安定していない」状態です。

血糖値は血中のブドウ糖の濃さだと述べましたが、私たちの全身の細胞はこのブドウ糖を主なエネルギー源として生きています。特に赤血球はブドウ糖だけをエネルギー源にしています。

「キレる上司」の体の中で起こっていること

ですから体にとって血糖値が低くなるのは一大事です。

たとえば仕事が忙しくてお昼を抜いてしまったようなとき。何も食べない時間が続いて血糖値が低下すると、体は血糖値を上げようとして血糖値を上げるホルモンを分泌します。たとえば成長ホルモン、グルカゴン、甲状腺ホルモン、アドレナリン、ノルアドレナリン、コルチゾールなどです(ほかにもいろいろあります)。

これらのホルモンの働きで、肝臓にたまっているグリコーゲンがブドウ糖に分解され、血中に放出されることで血糖値が上がります。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

複数ページをまたぐ記事です

記事の最終ページでミッション達成してください