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「夢がない子」に大人ができる3つのアプローチ 子どもが持っている時間軸は「現在」だけだ

東洋経済オンライン / 2024年10月17日 7時30分

では、どれくらい先の時間設定なら子どもは把握できるでしょうか。筆者の経験では、個人差はありますが、小学生であれば平均して男子は小5、女子は小3なら今日、明日程度までは把握できます。男子は中2夏、女子は小5なら1週間先までであれば把握できます。それ以降、男子で中2の9月、女子で小5になると1カ月先の予定も把握できるようになります。このように子どもの時間軸認識レベルに応じて設定してみてください。

(3)“ナビゲーション”マップで「見える化」させる習慣

上記の(2)で大方の年齢別の目安を出しましたが、これは成長の過程で徐々に時間軸が伸びていくことを示しています。しかし、それを前倒しにして時間軸を作っていくことが可能です。その方法が、ナビゲーションマップ方式です。

カーナビやGoogleマップを使ったことのある方はわかると思いますが、まず目的地を設定します。すると、いくつかのルートが出てきます。カーナビでは、一般道路か有料道路優先か、Googleマップであれば車、電車、歩く、タクシー、自転車などさまざま出てきます。そして、自分の交通手段を設定するとルートが表示されます。そして移動開始です。

この移動は、目的地に向かって進んでいます。今、自分がどこにいるのかがリアルタイムで“いつもわかる状態”になっています。途中でそのルートに障害があったり、道を間違えたりしたら、ルート変更されます。しかし、やがて目的地に到着します。

これは目標設定や夢の設定とまったく同じ構造です。まずは目的地を作り、あとはルートを決めます。そのルートが難しかったり、間違えたら変更したりしますが、目的地の変更はありません。

この話の重要なポイントは、リアルタイムに全体ルートと現在地が目で見える状態になっていることです。子どもは時間軸が短いので、ナビゲーションマップのように「見える化」させると、多少長くした目的地を設定し、今自分がどこまで近づいているのかが把握できます。

例えば、英検の試験が1カ月後にあるとします。そこに英検合格という目的地が設定されます。そして、いつ何をやるかを計画していきます。これがルート作りです。時間がとれないのであれば、その限られた時間内で合格できるルートを設定します。そして日々進めながら、終わったら消し込み作業をしていきます。

目標に近づく訓練の延長線上にある「夢の設定と実現」

それがナビゲーションの現在地です。もし遅れているようであれば、ルート変更(ナビでは有料道路を通るなど。しかしお金がかかります)か、テキストを変えるか(ナビでは車ではなく飛行機を使うなど)を検討します。これらの検討も、常時「見える化」されているからできることです。

このようなことを子どもが目標設定できそうな項目で作っていきます。運動会や修学旅行、社会科見学、発表会、スポーツの試合、検定試験、模試、学校のテストなどさまざまあります。すべて行う必要はありませんが、目標を作り、そこに近づく訓練にはなります。そしてこの延長線上に「夢の設定と実現」があります。

以上、目標や夢がない子に大人ができる3つのアプローチについてお話ししました。子どもの頃は、このように身近なところで設定トレーニングをしていくとよいと思います。すると大人になった時に、頭に作られた「目標、夢実現フォーマット」が自動的に作動すると思います。

石田 勝紀:教育デザインラボ代表理事、教育評論家

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