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NGアーティスト連発の中「トランプ愛用」の出囃子 キャンペーンソングで見るアメリカ大統領選

東洋経済オンライン / 2024年10月17日 17時0分

(写真:Justin Merriman/Bloomberg)

いよいよ来月に迫ったアメリカ大統領選。舌戦やパフォーマンスに注目が集まるが、実は候補者が舞台に上がる際の「出囃子」にも、政治家の特徴が表れているという。アメリカ在住の日本人スタンダップコメディアン、サク・ヤナガワ氏がカルチャーの視点から大統領選を分析する(本稿は『どうなってるの、アメリカ!』より一部抜粋・編集したものです)。

集会で重要な役割を果たす「出囃子」

11月5日の投票日に向け、カマラ・ハリス、ドナルド・トランプの両候補者は各地を周り、有権者に演説を行う忙しい日々を送っており、メディアもその様子を伝えつつ、専門家たちがそれぞれの予想をあれこれ口にしている。

舌戦やパフォーマンスに何かと注目の集まる大統領選だが、互いが集会の際にどのような楽曲を用いるかによって、改めて両陣営の選挙戦の戦略及び、支持者として見込むマーケットを考察することができるのではないか。

選挙戦の際、候補者が舞台に上がる際、出囃子のように用いられる楽曲は「Campaign Songs(キャンペーン・ソング)」と呼ばれ、古くは18世紀に第2代大統領のジョン・アダムスがトマス・ペインの書いた『Adams & Liberty』という楽曲を用いたのが最初と言われている。

ちなみにポピュラーソングを初めて使用したのはフランクリン・ルーズベルトで、大恐慌時代、あえて陽気な『Happy Days Are Here Again』を採用した。

なかでも多くの人にインパクトを与えたのは、ジョン・F・ケネディであろう。当時の大スター、フランク・シナトラのヒット曲『High Hopes』を「ジャック(ケネディの愛称)に投票しよう」と歌詞を替えてリリースし、有権者たちにポップな印象を植え付けることに成功した。

近年でいえば、黒人として初の大統領になったバラク・オバマは、アレサ・フランクリンやスティーヴィー・ワンダー、ウィル・アイ・アムなど黒人ミュージシャンの楽曲を意識的に使用したことでも知られる。

ヒラリー・クリントンも、ケイティ・ペリーの『Roar』(2013年)やレイチェル・プラッテンの『Fight Song』(2015年)など、比較的新しい女性ミュージシャンの楽曲を積極的に使用し、とりわけ若い世代の有権者に届くようにキャンペーンを展開した。

トランプはアーティストから「拒否」

少し前置きが長くなった。このように歴代の大統領候補が多くのキャンペーン・ソングを戦略的に用いる中、政治的信条が合わないとの理由でアーティストからの楽曲使用停止通告が出ることもめずらしくない。

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