NGアーティスト連発の中「トランプ愛用」の出囃子 キャンペーンソングで見るアメリカ大統領選
東洋経済オンライン / 2024年10月17日 17時0分
この『Freedom』が収録されているアルバム『Lemonade』は、ビヨンセの個人的な葛藤にとどまらず、黒人としての社会的不平等を訴える内容で評論家からも大きな評価を得た。ビヨンセの研究で知られる学者のオミセイク・ティンズリーはこのアルバムを「黒人フェミニズムのリミックス」と評した。
ビヨンセ自身も本作を通した政治的な発信に意図的で、2018年のコーチェラ・フェスティバルの際には『Freedom』の直後に、「黒人の国歌」とも呼ばれる『Lift Every Voice and Sing』を歌い上げた。
のちに『Freedom』は2020年のBLMの際にも積極的に歌われ「黒人」をユナイトする楽曲として用いられてきた。『ローリング・ストーン』誌は「ビヨンセのキャリアの中でもっとも印象的な政治的発信」と述べた。
「女性」「黒人」としてのアイデンティティを表明
こうしたきわめて「政治的」で「女性的で」「黒い」曲をカマラ・ハリスが今回のキャンペーンに用いたことは興味深い。「女性」として、また「黒人」としてのアイデンティティを表明する姿勢を体現する『Freedom』はハリスの選挙戦略をクリアに表している。
そしてそれは、見方を変えれば、バイデンの弱点とされていた「黒人層」「女性」「若者」の票を獲得するねらいがあるようにも見て取れる。
トランプは7月、イベントに出席した際、「カマラ・ハリスはインド人だと思っていたが、いつの間にか黒人になった」と、毎度の語り口でそのアイデンティティの政治利用を批判した。
いずれにせよ、曲の主題で見ると、トランプが「愛国」や「アメリカの自由」などの曲を選択しているのに対し、バイデンは「愛」や「希望」「団結」のメッセージが込められた曲で対抗した。そしてカマラ・ハリスは、自身のエスニシティやジェンダーを存分に活かし、歌い手のストーリーを自身と重ねる演出で、有権者に訴えかけている。
さて来年の1月、ホワイトハウスにいるのは誰だろうか。
サク・ヤナガワ:スタンダップコメディアン
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