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資本主義は今、曲がり角に来ているのか? エシックス(倫理)と資本主義を考える(1)

東洋経済オンライン / 2024年10月18日 12時0分

したがって、私は社会主義と自由主義を明確に区別するつもりはないですし、どちらも自由民主主義の中で融合していると考えています。自由民主主義における社会主義は民主主義から生じたものです。自由主義の要素である自由市場と自由契約が融合したハイブリッドなシステムの中で私たちは生きています。

それに対する唯一の急進的な代替案は、リバタリアニズム(自由至上主義)か、アルゼンチンのハビエル・ミレイ大統領などが「無政府資本主義」と呼ぶものかもしれません。ただ、これらも矛盾しています。

無政府資本主義は、自由放任主義(レッセフェール)と呼ばれることもありますが、私有財産がなくても資本主義が成り立つというのは幻想です。ミレイ大統領は資本主義者などではなく、ただの極右マフィア思想家だと思います。

リバタリアニズムの矛盾は、安全保障などを民営化する必要があることです。麻薬王のパブロ・エスコバルや、ラテンアメリカの富裕層の多くは私設軍隊を持っていますが、それではマフィア国家になるだけです。したがって、自由主義と自由至上主義は明確に区別する必要があります。

(翻訳・構成:渡部典子)

マルクス・ガブリエル:哲学者、ボン大学教授

名和 高司:京都先端科学大学ビジネススクール教授、一橋ビジネススクール客員教授

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