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山形市が「ラーメン日本一」になった納得の理由 古き歴史と新しい店が一体に、独自の多様性が形成

東洋経済オンライン / 2024年10月20日 8時30分

「山形の人たちからすればラーメンを日常的に食べるのは当たり前のことですが、メディアが“山形=ラーメン”と盛り上げてくれているのを見て、県民に火がついてより食べるようになってきているような気がします。

メディアが盛り上げてくれたこと、そして何よりラーメンを消費してくれる県民の皆様のラーメン愛からなる三位一体の力が大きいと感じます」(藤田店主)

お店を10年続けてきたことにより、県内のお客さんはつけ麺を食べるようになってくれたが、逆に県外からのお客さんはいまだに9割の人が中華そばを注文するという。それは“山形=ラーメン”になっているからだと藤田店主は分析している。

「ラーメンは自由だからこそいろんな人が食べてくれるのだと思っています。山形市はラーメンの消費量は全国1位ですが、ご当地ラーメンは“冷やしラーメン”ぐらいしかありません。他はなんでもござれでいろいろなラーメンがあり、だからこそいいのだと思っています」(藤田店主)

広い多様性が山形のラーメンの大きな魅力の1つ

山形市で鶏の芳醇なスープで人気の「鶏冠」。2016年にオープンしたお店で、これまで山形にはなかった新しいラーメンを広めていった。

「埼玉の『四つ葉』の味に感動し、ローストポークをのせたり、低加水の麺を使ったりと今まで山形の人たちが食べたことのないラーメンを展開しました。はじめは『これはラーメンじゃない。そばか?』と罵られることも多く、1年半批判を浴び続けましたが、メディアに紹介されてからお客さんが増えていきました」(「鶏冠」桜井洋一店主)

ラーメン文化が強く根付いている山形では新しいラーメンはなかなか受け入れられてこなかったが、「麺藤田」藤田店主や「鶏冠」桜井店主のようなバイタリティのある店主の手によって新たな歴史が生まれてきている。この広い多様性こそが山形のラーメンの大きな魅力の1つである。

「もともとおそば屋さんが先にあって、後にラーメンがついてきた歴史があります。我々が子供のころはラーメンの出前もそば屋からとることが多かった。

まだまだ浅い歴史の中で、山形のラーメンは伸びしろだらけで、自由で縛りがありません。これからもどんどん新しいものが広がっていくと思います」(桜井店主)

「ラーメンの聖地、山形市」を創る協議会の立ち上げ

山形市にある名店「麺辰」の店主・鈴木敏彦さんは2022年11月に立ち上げた「ラーメンの聖地、山形市」を創る協議会の会長を務める。

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