子どものことばを育てるのに本当に必要なこと 「ことばのシャワーを浴びせる」のが正解ではない
東洋経済オンライン / 2024年10月21日 8時30分
ことばの発達に遅れがある子どもの指導を専門とする立命館大学教授の川﨑聡大教授は、1歳ごろに話し始めるより前に「ことばをどれだけ理解できているか」「コミュニケーションの基盤がどの程度育っているか」が大事だと指摘します。川﨑教授の新刊『発達障害の子どもに伝わることば』から抜粋して、乳幼児期から幼児期初期の声かけについてご紹介します。
子どもの「もの」へのアプローチを観察しよう
声かけというと、子どもが「話せる」ようになってからの話に思えますが、1歳ごろの始語より前から、「どれだけ理解ができているか」と「コミュニケーションの基盤がどの程度育っているか」が大事です。
でも、どうやって理解を確認すればいいのか。子どもに質問もできないし、コミュニケーションの基盤もイメージしにくいかもしれません。
「どれくらいわかっているか」から順に説明していきますね。発話がない子どもの理解も子どもの活動を観察することで確認することができます。またそこに、ことばを育てるヒントが隠れているわけです。
まず、「もの」に対してどのようにアプローチしているかです。例えば靴を見て足を出そうとする様子がうかがえれば、「履くもの」という理解ができていると判断することができます。
脱いだ服を脱衣かごに入れようとする、ごみをごみ箱に入れようとする、といった行動も大事なポイントです。電話のおもちゃを持ったときに口の中に入れようとする子どももいれば、耳に当てようとする子どももいるでしょう。当然後者は「電話を知っている」となるわけです。
生後7カ月を超えて椅子に座ることができるようになると両手が自由になり、自分で操作できるものも増えていきます。実際にこの「わかる」「使える」「知っている」がことばの基盤になります。
家庭でことばを育てるうえで大事なポイントの1つは「(イメージできない)ことばのシャワーを浴びせる」ことではなく、子どもが「面白い!」と思って注目し、そのうえで操作して「知っている」「使える」と実感できるものを増やすことにあります。
「イベント」へのアプローチもよく観察
また、子どもが「イベント」に対してどのようにアプローチしているかも、理解を見極めるポイントです。ルーチンのイベントとイレギュラーなイベントに分けて考えてみましょう。まず、ルーチンのイベントにはご飯を食べる、お風呂に入る、保育園に行く(微妙ですが)、といったものが該当します。
-
- 1
- 2
この記事に関連するニュース
-
2025年は「子どもの心が動く声かけ」から始める 「リラックスしてね」のいったい何が問題なのか
東洋経済オンライン / 2025年1月16日 11時0分
-
特別支援学級入学準備で、不安に感じていたこと1位は、「支援学級での通常級との関わりがどれくらいあるのかわからなかった」と回答した保護者6割以上
PR TIMES / 2025年1月14日 10時45分
-
"泣き叫ぶ、騒ぐ子ども"には「叱りつける」べきか 本当に"効き目"がある「声かけ」の正解は?
東洋経済オンライン / 2024年12月30日 8時15分
-
「勉強しなさい」より効果的…子が自ら勉強し偏差値70の中学を目指すようになった"親の問いかけフレーズ"
プレジデントオンライン / 2024年12月27日 10時15分
-
トランプ氏はなぜ勝ったのか ドーク教授の分析 その12(最終回)日本の「普通の国」への道
Japan In-depth / 2024年12月22日 11時0分
ランキング
-
1明治「きのこの山」「たけのこの里」実質値上げへ…SNS嘆き「もう高級品」「中身スカスカだと寂しい」
iza(イザ!) / 2025年1月17日 16時53分
-
2ホンダIT技術者65歳定年廃止 能力あれば年齢限らず
共同通信 / 2025年1月17日 18時52分
-
324年産コメ、過去最高値 93年大凶作「米騒動」超え
共同通信 / 2025年1月17日 20時22分
-
4因縁の「旧ライブドア」出身...ホリエモン&田端信太郎氏、フジテレビ株主総会めぐり意気投合 「チケットげっと!」
J-CASTニュース / 2025年1月17日 13時20分
-
5大樹生命、職員が金銭詐取=契約者から、数千万円の可能性
時事通信 / 2025年1月17日 19時50分
複数ページをまたぐ記事です
記事の最終ページでミッション達成してください