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稲盛和夫さん「胃がんがわかっても平常心」の強さ 30年間にわたり彼を見てきた参謀のノートより

東洋経済オンライン / 2024年10月21日 19時0分

どんな逆境に置かれても、成功しても、心が乱れることのない平常心が大事です(写真:タカス/PIXTA)

京セラ、KDDIを創業し、それぞれを大企業に育成した後、会社更生法の適用となった日本航空(JAL)をわずか2年7カ月で再上場するまで再建。数々の功績から「経営の神様」と称えられる故・稲盛和夫氏。その言葉や考え方は、今もなお多くの人に影響を与えています。

37歳で稲盛氏から特命秘書に任命され、約30年間にわたり最側近として稲盛氏の仕事を間近で見てきた大田嘉仁さんは、稲盛氏の言葉や教えをノートに書き留めていました。その数実に60冊!

「生き方」「リーダー論」「経営」「心のありかた」について選りすぐった稲盛氏の言葉を収録した『運命をひらく生き方ノート』より一部抜粋・編集してご紹介します。

成功して驕らず、失敗して落ち込まず

確固たる哲学を持ち、一所懸命努力して1日1日を精一杯生きていても、それでも失敗することがあるのが人生です。

そのときに「この失敗は神様が与えた試練だから、乗り越えたら、素晴らしい人生が待っている」と前向きに考えることができるか、それとも「こんなに頑張っているのに失敗するのはどうしてなんだ。社会がおかしいじゃないか」と思うかで、人生は大きく変わると稲盛さんは語っています。

稲盛さんは、子どもの頃の自らの体験に重ねて「人生は心に思ったことが現象として表れる」ことを確信しました。さらには、師と仰ぐ京都・円福寺の西片擔雪(たんせつ)老師から因果応報、善因善果、悪因悪果という人生の決まりごとを教えてもらいました。

そのことから、どんな厳しい環境に置かれても「常に明るく前向きに、夢と希望を抱いて素直な心」が大切であり、「成功して驕(おご)らず、失敗して落ち込まず」という姿勢を忘れてはならないと私たちに伝え、その反対に「思いの中に不安や恐怖心があれば必ず失敗する」と警鐘を鳴らしています。

そのためには「平常心が大事だ」と稲盛さんは言います。どんなに忙しくても、たとえ体調が悪くもて、さらに言えば、どんな逆境に置かれても、成功しても、心が乱れることのない平常心が大事だというのです。

そうはいっても、次から次に思いがけないことが起こり、計画したように物事が進まなければ、心はそれに反応して落ち込んだり、荒れ狂ってしまうことさえあります。

稲盛さんは「そういう喜怒哀楽も大事だから、それがいけないというわけではない」と否定はしません。

しかし、いつまでもそれを引きずって心が不安定では、判断を誤ってしまう。だから、できるだけ早く平常心に戻るように努め、心が穏やかになったときに判断をしなければならないと教えています。

間違った判断はすぐに修正する

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