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東京はひと時の舞台、30代女性「仮暮らし」の部屋 合わない婚活を止め「望む未来」をつかむまで

東洋経済オンライン / 2024年10月21日 7時40分

「吉祥寺も暮らしやすくて好きだったのですが、(前職時に)うまくいかなかった仕事や婚活、そして何よりも好きだった人の影がちらつくので、全てをリセットしたかったのだと思います。

その人に関しては、全体にまとう雰囲気や居心地のよさなど、私は全てが大好きだったんです。でも、彼は同じ気持ちではなかった。

そんなこともあって、新しい環境ではお互いに向き合って深い関係性を築いていく人以外、個人的なテリトリーには入れない。そう決意して今の場所に転居しました」

シンプルなインテリア、整頓された空間には佐藤さんが好きなものだけが置かれている。リラックスのためのアロマオイルや、観葉植物。今の自分を形作る思い出にちなんだ品。好きな「食」を楽しむための器や調理器具など。彼女のパーソナリティがそのまま表れた、調和の取れた空間だ。

「週末は新しいレシピに挑戦したり、友達を招いて手料理を振る舞うこともあります。また自転車で近所のパン屋さんや公園を巡るのが好きです。世田谷は美味しいパン屋さんや大きな公園がたくさんあるんですよ。自分のペースで部屋で過ごしたり、気ままに家の周辺を散策したりする時間が、最高に贅沢ですね」

いつかは自然のある場所へ

東京での仕事やひとり暮らしを満喫する一方で、佐藤さんはずっとこの地で暮らしてゆくつもりはないという。

「やっぱり自然が恋しくなるんです。都会は刺激的ですが、どこかで演じているような気負いがありますね。『心の蛇口をぎゅっと締めている感じ』というか。

ある程度の年齢になったら、私はふわっと自分を解放して暮らしたいです。幼い頃から自然とつながっている感覚があって、それは鳥取のような自然豊かな土地で育ったからこそ得られた恩恵だと思っています」

最終的に彼女が理想とするのは、自然に近い場所での生活だ。特に海のある場所や、四国や九州の暖かい地域に惹かれているという。

「夢は自分の事業を、自然に恵まれた土地で展開すること。今取り組んでいるブランディングデザインの仕事は、その夢の実現にきっと役立つと思います。

そして結婚という形でなくてもいいのですが、心が休まる土地でパートナーとなる誰かと一緒に暮らせたら最高ですね」

取材を受けた理由について、「きっと私のような女性は、東京にたくさんいると思うんです。だからこそ、そんな日常を記事として残してもらうのもいいのかなと思って」と、語ってくれた佐藤さん。

将来は誰かと暮らしたいと思っている人なら、ひとり暮らしは「仮の暮らし」のように感じるかもしれない。しかしそこで自分に向き合い、内面に培ったものは、未来にその人を支えてゆく軸となるはずだ。

佐藤さんの部屋は、望む未来を待ちつつも、二度とない“今”を大切に生きるための、柔らかに整えられた部屋だった。

本連載では、ひとり暮らしの様子について取材・撮影にご協力いただける方を募集しています(首都圏近郊に限ります。また仮名での掲載、顔写真撮影なしでも可能で、プライバシーには配慮いたします)。ご協力いただける方はこちらのフォームからご応募ください。

1Kの自宅で紡ぐ、私らしいひとり暮らし

【写真】にぎやかな子ども時代をへて、今は「ひとり暮らし」。そんな佐藤さんの暮らしの様子(12枚)

蜂谷 智子:ライター・編集者 編集プロダクションAsuamu主宰

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