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人生設計「30年後に年収5000万円」の壮大な勘違い 起業家と編集者が真剣に考えた目指すべき目標

東洋経済オンライン / 2024年10月23日 8時10分

求めている人生は、到達したときにはもうそこにはない(写真:d-daystudio/PIXTA)

望みどおりの人生の妨げになるのは、「未来の自分」が他人に思えてしまうこと――。私たちは「未来の自分」ともっと仲良くなり、大切にすべきである。

UCLAアンダーソン・スクール・オブ・マネジメント心理学教授のハル・ハーシュフィールドは、心理学から見た「幸せな人生のつくり方」を、このように言う。

彼の著書『THINK FUTURE「未来」から逆算する生き方』が、今、全米でベストセラーになっている。

ハーシュフィールドによると、多くの人は「今の自分の状態が未来も続くとはかぎらない」という事実に、あまりにも無自覚だという。「未来の自分」が、何十年後も変化しないだろうと思ってしまい、熟慮しないことがネックなのだ。

本書の日本語版へ解説を寄稿した起業家のけんすう氏も、自身の20代を振り返ってそのことを実感するという。けんすう氏の担当編集者である箕輪厚介氏と対談してもらい、「人生を充実させるための考え方」を聞いた。若くして成功した起業家と破天荒な編集者の、意外な40代とは。全4回でお届けする。

前回の記事はこちら。
第1回:「40歳までには死んでる」と見積った若者の盲点

人生設計をミスらせるバイアスとは?

箕輪厚介(以下、箕輪):けんすうさんは未来のこと考えたりします?

【写真を見る】人生の「先延ばし問題」に対処する画期的な1冊!

けんすう:「何をしてるか」は予想できないと思っていて、でも自分の本にも書いたように「こうありたい」っていう「状態」はあるんですよね。

箕輪さんの「リリー・フランキーみたいになりたい」っていうのも、「みんながワーワー言ってるのをとりなす」みたいな「状態」じゃないですか。

箕輪:たしかにね。僕はあんまりまじめにがんばらないんだけど、唯一、誕生日とか年末年始に目標を言語化することはまじめに続けてきたんです。それが20代のころはずっと「数字」だったんですよね。「何十万部のヒットを出す」とか「お金をこれくらい稼ぐ」とか。

けんすう:でも今は、あまり数字にこだわらなくなってる?

箕輪:数字の積み上げはもういいかな。「何十万部のヒット」みたいなことを繰り返したところで、(幻冬舎社長の)見城さんは喜ぶだろうけど、俺の幸せは変わらないだろうなって。だからやっぱり、「こういう人間でありたい」とか、「こういう感じの日々でありたい」という「状態」を欲するほうに向いてますね。

目標が単なる数字の線形になる

けんすう:本書では「将来の見積もりミス」の原因として、3つのバイアスというのが挙げられています。1つめは「今の自分の感情にとらわれすぎること」、2つめは「課題を深く考えないゆえの(楽観すぎる)先延ばし」、3つめは「今と未来の自分は違う可能性が認識できない(永続性の)勘違い」です。特に3つめは、若いころはめっちゃありますね。

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