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総選挙を左右する?「テレビよりYouTube」戦略 Googleも積極的に後押しする「選挙系YouTube」

東洋経済オンライン / 2024年10月23日 10時0分

7月の都知事選挙で起こったことを思い返せば、政治とYouTubeが切り離せなくなったことがわかる。

選挙が始まる前から新聞やテレビの大手メディアは、都知事選を「小池vs蓮舫」の構図で報じた。選挙期間中もこの2候補に田母神俊雄氏と石丸伸二氏を申し訳程度に加えて「4候補」として扱った。ところが投票結果は1位の小池百合子は予想通りとしても、2位が165万票を獲得した石丸氏だったことに愕然とした。さらにテレビがまったく報じなかった安野貴博氏が15万票獲得で5位だったことも驚きだった。私は、大手メディアの報道でしか動静を見ていなかった自分の視野の狭さを恥じた。

石丸安野両氏は、頻繁に街頭演説を行いそれをYouTubeで配信した。20代30代では石丸氏が小池氏を凌駕していたうえに40代50代でも蓮舫氏より多かった(NHK出口調査による)。大手メディアを通じては選挙動静が見えないと思い知った。

今回の総選挙は裏金問題に曖昧な対処しかしない自民党に腹を立て、無関心ではいられない若い人も多いはずだ。その分、浮動票をどう獲得するかがカギになる。東京都知事選挙の結果を鑑みれば、YouTubeに力を入れてしかるべきではないか。特に蓮舫氏を推薦して石丸氏に敗れた立憲民主党こそがこの点を反省し、YouTubeに力を入れて今度こそ若い層を取り込むべきと思うのに活用が進んでいないのはなぜなのか。

日本だけではない「選挙系YouTube」

実は若い世代がYouTubeを活用して選挙に関わる動きは、日本だけではない。

YouTubeのNews & Civics Partnerships Directorのブランドン・フェルドマン氏によると、今年前半のアジアでは選挙についてのYouTube配信が話題になった事例が続いたそうだ。

韓国の「シュカワールド」というニュース配信チャンネルは政治情報の啓蒙も目的とし、300万人以上が登録している。今年4月の国民議会選挙についての動画では、どういう政党が人気があるのか、その政党はどういう政策を提唱しているのかを紹介し、77万回再生されている。日本だとテレビ局がやることをYouTubeチャンネルでやっているわけだ。

インドネシアではナジワ・シハブという大手メディアを辞めた記者が個人で始めたチャンネルが登録者数1000万人にもなっている。大統領選挙についてのディベートをライブ配信し、800万回以上再生されていた。

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