「ツカミ」で笑いを取りにいこうとする人の盲点 下手をすると聞き手の気持ちが冷める可能性も
東洋経済オンライン / 2024年10月24日 9時0分
テレビの世界では、説明を嫌う文化があります。なぜなら、「説明が長く続くと、チャンネルを替えられる」からです。つまり、「説明は面白くない」「好きじゃない」と多くの人は思っているということです。では、なぜ説明はつまらないと思われるのでしょうか?
それは、感情が動かないからです。人は感情の変化を求める生き物です。説明にも、感情が動く要素が含まれていなければ聞いてもらえません。それだけに、「いかに説明を楽しく、聞きたいものにするか」というテーマと向き合ってきたのが、テレビの伝え方なのです。アナウンサーとして20年以上テレビやラジオの世界で仕事をしてきた石田一洋さんの著書『あなたの話はきちんと伝わっていますか?』から、伝わる説明のコツをご紹介します。
聞き手の興味をひく方法
説明の要点を短く表現した「リード」を入れることで、聞き手にその後の説明を聞いてもらいやすくなることをお伝えしました。ここでは、さらに説明に入り込んでもらうためのポイントをご紹介します。
その1つが「キーワード化」です。これは、聞き手の興味をひくきっかけとなる「キーワード」を入れる作業です。
話すときに人の興味をひくためには、「ツカミ」が重要と聞いたことがあると思いますが、実は「リード」と「キーワード」を合わせるとツカミになるのです。
なぜ、リードで要点をまとめているにもかかわらず、キーワードを入れる必要があるのでしょうか。
それは、印象的なキーワードは忘れずに覚えてもらえるからです。リードでは大事なことを伝えたり、全体像を伝えたりすることで聞き手に聞く態勢をつくってもらえますが、15秒で説明の全てを記憶に残してもらうのはなかなか難しいものです。そこで、キーワードだけでも明確に覚えてもらうようにするのです。
キーワードとは、話の要点を押さえた言葉
キーワードというと、インパクトのある強い言葉をイメージしてしまうものです。
しかし、キーワードは話の要点を押さえている言葉でなければ効果がありません。
全体の話を聞き終えた段階で、最初のキーワードがなぜ冒頭で語られたのか、腑に落ちている状態をつくらなければならないのです。
キーワードの目指すべき姿は、要点を一言で表す象徴的な言葉です。キーワードを考えるコツは、「これから説明しようとしていることを一言で言うなら?」と自分に問いかけてみることです。このとき、具体的なイメージが思い浮かぶワードに変換できるとベストです。
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