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セブン、苦戦報道で「不親切なレジ」批判沸騰の訳 「高齢者泣かせ」「冷たい接客」との声…一体なぜ?

東洋経済オンライン / 2024年10月24日 8時30分

とはいえこの方式、考えようによっては、商品をスキャンするという、セルフレジで最もめんどくさい部分を店員がやり、逆に比較的簡単にできる支払いをセルフにしたレジでもある。

いわば、有人レジとセルフレジの「いいとこ取り」なのだ。支払いをしているときに店員がホットスナックを取りに行けたりもするし、店側から見れば合理的なシステムでもあるだろう。

ただ、このシステムへの人々の受け止めを見ていると、あまり評判がよろしくない。それどころか、セブン減益の理由をこれに紐づけて語る人もいるぐらいなのだ。

高齢者が多いと、逆に長蛇の列を生む原因に?

例えば、X上では、こんなつぶやきが少なくない数確認できる。

「セブンのレジに慣れていない人が操作に手間取って長蛇の列……」

「レジがわからず、店員さんにキレてるおじいちゃんがいた」

機械操作が苦手な高齢者などが有人レジだと思ってそこへ行ったのに、結局うまく操作できずに戸惑ってしまう……なんてこともあるだろう。その結果、後ろには行列が生まれてしまって、背後からの無言の視線を感じあたふたする。あたふたするとさらに操作ができなくなってしまう。そんな悪循環を経験したり、見た人もいるのではないか。

DX化の進展に伴い、至る所でセルフレジが増えてきた。しかし、それぞれの売り場の現場を見ていると、特に高齢者を中心として、セルフレジを使いこなすのは難しいようである。

他店の例になるが、実際に私がフィールドワークをした話で説明しよう。とあるイトーヨーカドーでのことだ。イトーヨーカドーはDX化に力を入れていて、近年リニューアルした店舗ではセルフレジをたくさん導入し、有人レジのスペースを減らしている。

しかし、その結果、何が起こったか。セルフレジを敬遠した高齢者の多くが有人レジに並び、そちらが大行列になっていたのだ。

筆者がフィールドワークした際は、有人レジは数も少ないからすぐに列ができてしまい、長蛇の列が店の売り場まで伸びて、売り場の快適さまでもが失われた印象だった。

時代に追いつけない高齢者は無視…ではいけない

こういった話になると、「時代に追いつけない高齢者のほうが悪い」「でも、いずれ慣れないといけないでしょ?」といった(過激な)意見を目にすることもある。しかし、ビジネス的な観点で考えると、客離れは望ましいことではないし、袋詰めまでしてくれる別の店に行くようになるだけだろう。

そもそも、レジは顧客体験に大きく影響する。良品計画代表取締役社長や、同社代表取締役会長などを務めた松井忠三は、自著『無印良品は、仕組みが9割 仕事はシンプルにやりなさい』(角川書店・2013年)の中で仕組みづくりの重要性を説いているが、本書の中で最初に登場する図表が、レジ応対に関するものだ。

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