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「人生100年時代」を乗りこなす子どもの育て方  理不尽さに折れない心と好奇心を与えるには

東洋経済オンライン / 2024年10月25日 8時10分

これからの人生100年時代、大人も子どもも「心身健やかに過ごす」大切な要素とは(写真:プラナ/PIXTA)

「小中学生の50.3%が近視となっている」と文部科学省が衝撃的な発表をしたのは今年7月のことである。子どもの近視は1日2時間の屋外活動によって抑制効果があるのに、わずかこの2年の間に約1割の子どもが新たに近視となったことに警鐘を鳴らすのが眼科医の窪田良氏だ。

『近視は病気です』(東洋経済新報社)の著者・窪田良氏と、非認知能力育児のパイオニアであるボーク重子氏が「子どもの近視抑制」をはじめとする子どもの心身の土台作りをテーマに対談する第3回は、人生100年時代をどう心身健やかに過ごすかについて語り合う。

健康寿命を延ばすのに役立つ習慣

窪田:台湾では国の施策として、子どもが在校中に1日2時間屋外にいられるようにしています。ある程度強制力を働かせた結果、子どもの近視率を減少させることに成功しました。

日本ではそこまで学校に強制力を持たせるのは難しいと思います。ですが、前回ボークさんのお話を伺い、周りの大人が好奇心を持って外に出ることが、近視を抑制する子どもの屋外時間を確保できる鍵となると感じました。

ボーク:ありがとうございます。さまざまな眼疾患発症を倍増させる近視は、子どもの環境を工夫することで抑制できるというのも、もっと世間に広まってもらいたいですね。

窪田:そうですね。医師の立場からも、これからの人生100年時代、いかに健康寿命を延ばすかが重要だと考えています。そのためには、健全な心と丈夫な身体が必要です。

ボーク:健全な心という視点でいうと、私は大人も非認知能力を高めることが大切だと考えています。非認知能力は大人になってからも自分で鍛えることが可能です。

私自身も、娘を生んだときは「娘には私のような大人になってもらいたくない」と真っ先に思うくらい自己肯定感が低い状態でした。ですが、子育てを通じて、親である私自身の非認知能力も鍛えられました。自己肯定感や好奇心、主体性や回復力などの非認知能力を鍛えることで、毎日を最高にワクワクしながら生きていけるようになりました。

窪田:ボークさんが日々楽しく過ごされているのは、対談相手の私にも伝わってきます。

ボーク:ありがとうございます。自分が楽しんでいる様子は相手にも伝染するんですよね。人生100年時代を楽しむにはいかに好奇心を持てるか。これにかかっていると思っています。

窪田:子どもが好奇心を持てるようになるのも、周りの大人がまずは好奇心を持つ。それを見本として子どもに見せるということですね。

屋外に出ることと親の接し方で子は伸びる

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