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「人生100年時代」を乗りこなす子どもの育て方  理不尽さに折れない心と好奇心を与えるには

東洋経済オンライン / 2024年10月25日 8時10分

学校でなくとも、家庭で十分非認知能力を育むことができるのです。

窪田:近視研究が盛んなオーストラリアで行われた研究では、屋外活動は大人の近視抑制にも効果があると報告されました。大人も子どもも1日2時間屋外に出て、心身の健康寿命を延ばしていただきたいです。

ボーク:20世紀は、机上の勉強をやればやるだけ点数が伸びて成績が上がる環境でした。それでよい学校に入学でき、よい会社に就職できた。ですが、20年くらい前から終身雇用も社会保障も破綻してきています。生きるのが大変になった……そんな印象を持つ人も多いと思います。

大人も子どもも生きるのが大変な時代だが…

実は大人だけでなく、今の子どもたちも大変です。学校だけでなく習い事にも頻繁に通う環境、先生方といった大人との人間関係、クラスメイトという同世代との人間関係……子どもの人生も結構過酷です。

窪田:子どもの近視有病率も、コロナ禍で生活様式が変わったため急増しました。子どもたちの人間関係も、一緒に身体を使って遊ぶことが減ってより難しくなったのかもしれませんね。

ボーク:そうですね。自分が納得できない言葉や傷つく言葉を周りから投げかけられると、大人であっても自己肯定感が下がりますよね。このようなときは、クリティカシンキングが役立ちます。

まず「自分は本当に言われた通りなのだろうか」と自問します。次に「自分はどう思うのか」を考えます。そして「いや、そんなことはない。自分は大事な存在だ」と思うことができたら、自分の心を守ることができると思いませんか。

これも大人が「本当にそうなのだろうか?」と好奇心を持って自問する姿を子どもに見せることから始められます。大人の姿を見て子どもが真似ることで身につけられます。

窪田:先が見えない世の中ではありますが、私たち大人が日々幸せを感じて生活し、その姿を子どもに見せることも大事ですね。そのためにも屋外に出て好奇心を育てる、人生100年時代に大切な要素となりそうです。

私たち親も、「目のために外で2時間遊んでいらっしゃい」と子どもに押し付けるのではなく、大人が「今日は何に出会えるのだろう」とワクワクした気持ちで外出したら子どもも一緒についてくる。それってとても素敵なことだと思えるのです。そんな流れが理想ですね。

次回は、眼科医としてよく相談される子どものスマホとの付き合い方について、ボークさんと一緒に考えていきたいと思います。

(次回記事はこちら)

(構成:石原聖子)

窪田 良:医師、医学博士、窪田製薬ホールディングスCEO

ボーク 重子:ICF会員ライフコーチ/Shigeko Bork BYBS Coaching LLC代表

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