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リクルート「エリクラ」利用者に"不法投棄誘発"か 会社側に見解を問うと「サービスのあり方改善」へ

東洋経済オンライン / 2024年10月25日 10時0分

実際にはごみの種類や排出者についての規定は各自治体が行うことになっている。ただマンションや駐車場の管理事業、あるいは清掃事業によって生じたごみは産業廃棄物、または事業系一般廃棄物とみなされる。私が取材した限りでは、これらのごみは収集運搬業者に有料で処理を委託するなどしなければならず、家庭ごみとして捨てた場合は不法投棄になるといったルールを設けている自治体が多い。

また、過去に厚生省(当時)は、清掃業者がその場にあったごみを集めた場合の排出者は「(清掃業者ではなく)事業場の設置者または管理者である」という旨の通知を出している。この場合はシンジさんが指摘する通り、許可のない清掃業者がごみを持ち運ぶと、違法とされるおそれがある。この通知は自治体への事務権限の委譲に伴い廃止されたが「国としての見解はおおむね変わっていない」(環境省廃棄物適正処理推進課)。

私は前回の取材で話を聞かせてくれた男性に、ごみの処理方法について聞いてみた。男性が住む自治体では、たとえ少量でも産業廃棄物はもちろん事業系一般廃棄物も家庭ごみとして捨てることは禁止されていたが、男性は「知らなかったです。自宅のごみステーションに捨ててました」と驚いていた。

かくいうシンジさんも、違法と知りながら家庭ごみとして出している。十分とはいいがたい報酬から処理費用まで捻出する余裕がないからだ。現在、エリクラの利用登録者は約10万人。シンジさんは「エリクラは『自治体のルールに従って』と言いますが、それでは利用者に面倒と責任を押しつけているだけ。ごみに関する知識のない人も多いはずです。エリクラの仕組みが不法投棄を招いているのではないか」と指摘する。

こうした批判を運営者であるリクルートはどう受け止めるのか。取材に対し、同社のエリクラ事業担当者は「最終的には各自治体が判断することですが、結果として指摘されたような事態が起きている可能性は否定できず、申し訳なく思っています」と答えた。

そのうえで、今後のサービスのあり方について「各自治体にあらためてごみの種類やその処理方法、排出者などについて確認をします。そのうえで、それらの情報を依頼主に周知し、必要があれば掲載内容の修正をお願いするといった改善を進めます。ユーザー(利用者)に対しても自治体によってはごみ処理に別途費用がかかると伝えることも検討したい」とし、これまで「自治体のルールに従って」と呼びかけるにとどまっていた対応を改める方針を示した。

「エリクラは清掃の仕事を軽んじている」

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