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日本の中小企業を襲う「後継者不足」という大問題 70歳を超える経営者の約半数が「後継者未定」

東洋経済オンライン / 2024年10月25日 15時0分

実際、後継者不在問題は、社会的にも大きなテーマです。日本という国を支えている全国の中小企業の事業承継は、待ったなしの緊急の課題といっていいでしょう。

60代の社長の会社の約4割が「後継者不在」

ここで少し、データを見ながら考えてみましょう。

中小企業庁は、2025年までに平均的な引退年齢とされる70歳を超える中小企業の経営者は245万人となり、そのうち127万人が後継者未定であるという試算を公表しています。また、このまま日本の後継者不在問題を放置していると、2025年までに約650万人の雇用と、約22兆円のGDPが失われる可能性があるとしています。

また、帝国データバンクが公表している「全国『後継者不在率』動向調査(2023年)」によれば、中小企業の後継者不在率は53.9%で、そのうち事業承継の適齢期とされている60代の社長の会社の37.7%が後継者不在だとしています。

ここ数年、後継者不在率は改善してきていますが、それでも依然として半数以上の中小企業に後継者がいないという現実があるのです。

さて、事業承継にはおもに、次の3つの形があります。

1. 親族内での承継
2. 役員・従業員への承継
3. M&Aで社外の第三者への承継

1. 親族内での承継

多くの経営者の方は、後継者としてまず子どもを候補者に考えることでしょう。自分の子どもに会社を託したい、財産を残したいという思いはよくわかります。それが難しいなら孫や配偶者、娘婿などの親族を候補者に考えるかもしれません。

親族内承継のメリットとデメリットとしては、次のことがあげられます。

〈メリット〉

・早い段階から後継者教育を行うことができる
・相続等により会社の株式や財産の所有と経営の分離を防いで一体的な承継ができる
・取引先や顧客、金融機関、社員などのステークホルダー(利害関係者)から理解を得やすい
・経営者は事業承継後もオーナーとしての地位を維持できる

〈デメリット〉
・経営者としての資質、適性のある子ども・親族がいるとは限らない
・銀行の個人保証や担保も引き継がせてしまう場合がある
・子どもなどに「継がせる不幸」になってしまう可能性がある

社内から後継者を選ぶメリットとデメリットは?

2. 役員・従業員への承継

子どもなどの親族に会社を引き継がせることができない、引き継がせないとしたなら、次の候補として会社の役員や従業員への承継を考える経営者の方もいらっしゃるでしょう。

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