7人乗り新SUV「CX-80」に見るマツダの生きる道 開発陣の「こだわり」が生む独自性の商品力
東洋経済オンライン / 2024年10月25日 9時40分
かねて登場が噂されていたマツダ「CX-80」が、2024年10月10日に発売となった。「CX-60」のボディを長くしたような3列シートのSUVで、直列6気筒ディーゼルエンジンや後輪駆動(FR)主体のドライブトレインなど、独自性の高いモデルだ。
【写真】輸入車のような質感を持つ内外装は「CX-80」の大きな魅力のひとつ
クルマとしての評価に加え、ここにマツダというブランドの生き残る道があるのかどうかにもフォーカスしてみたい。
「直6のFR」という独自のレイアウト
マツダが新しい方向へと歩み始めたのは、2022年のCX-60から。
CX-60は、「ラージ商品群」と同社が名付けた商品企画群のひとつで、新開発プラットフォームを使い、ホイールベースは2870mm。なにより、直列6気筒エンジンを縦置きし、後輪駆動ベースの4WDというのが衝撃的だった。
さらに細かいことをいえば、変速機はオートマチックだが、一般的なトルクコンバーターを使わない「トルコンレス8速AT」であることも特筆点。クラッチで締結することでダイレクトな、マニュアル変速機のような伝達効率をめざしたというのである。
エンジンを縦置きとして後輪駆動主体(100%の後輪駆動になることはないようだが)を選択した理由について、マツダは「走る歓び」を挙げている。今回のCX-80でも、それは同様だ。
CX-60と基本プラットフォームは共用しつつ、ホイールベースを3120mmに伸ばし、車体全長はCX-60より250mm長い4990mmに。サイズは大きくなったが、デザインや走りのよさという“情緒的価値”を重んじて開発された点では、CX-60と同じだという。
実質的な先代ともいえる3列シートの「CX-8」は、全長4900mmでホイールベース2930mmだったから、それよりも大型化している。加えてCX-80では、「パフォーマンスと環境性能をさらに引き上げた」と、開発を指揮したマツダ商品開発本部の柴田浩平主査は言う。
【写真】内装はまるで高級車!「CX-80」の内外装を見てみよう(59枚)
私がCX-80に試乗したのは、2024年10月初旬。徳島から淡路島を縦断して本州へ上がり、神戸までの道を2種のCX-80で走った。
ひとつは、「XD-HYBRID」という3.3リッター6気筒ディーゼルのマイルドハイブリッドで、もうひとつは2.5リッターガソリンエンジンを使ったプラグインハイブリッドのその名も「PHEV」だ。
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