群馬県「人口10万人都市」の超濃厚な鉄道密度 東武線、JR両毛線、上毛線、わ鉄が走る桐生市
東洋経済オンライン / 2024年10月25日 6時30分
人口約10万人の、決して大きくはない都市でありながら、4つの鉄道事業者、4本の路線が走り、駅の数は15。地方の多くの鉄道が利用者減少に悩む中、潤沢な路線と駅を擁するのが、群馬県桐生市である。
【写真40枚を見る】なぜこんなに路線があるの?人口規模では群馬県で5番目の桐生市。市内には新桐生・桐生・西桐生と3つあるターミナルに4路線が乗り入れてる。隣のみどり市も鉄道が充実
かつて「西の西陣、東の桐生」と呼ばれるほど絹織物の生産地として有名だった桐生は、群馬県で人口が最も多い都市だったこともあるという。
現在は高崎市、前橋市、太田市、伊勢崎市に次ぐ県内5番目の人口規模となっている(「群馬県市町村別住民基本台帳人口と世帯」より、2024年9月末)。
市内に鉄道4路線
JR東日本両毛線、東武鉄道桐生線、上毛電気鉄道上毛線、わたらせ渓谷鉄道わたらせ渓谷線の4つの路線が乗り入れているのは、そんな歴史を反映しているのかもしれない。
【写真を見る】人口規模では群馬県で5番目。だが桐生市内には新桐生・桐生・西桐生の3つのターミナルに4路線が乗り入れてる。隣のみどり市も鉄道が充実(40枚)
群馬県には県内最大の都市の玄関口で、上越新幹線と北陸新幹線が分かれ、JR高崎線・信越本線・上越線などに加えて上信電鉄上信線が乗り入れる高崎駅がある。
ただし桐生市の鉄道ネットワークは、多くの都市とはちょっと違うところがある。その1つは、ターミナルが3駅に分散していることだ。
市の中心駅とされるのは、JR両毛線の桐生駅。1888年に両毛鉄道の駅として開業し、1911年にはわたらせ渓谷線の前身である足尾鉄道が、ここを起点として走りはじめている。その後両線とも国有化され、JR東日本に引き継がれたが、後者は1989年に第三セクター化され、わたらせ渓谷鉄道になっている。
路線名のほか、東武鉄道の特急の名前にも使われている両毛とは、古墳時代に現在の群馬県と栃木県の南部を総称して、毛野国と呼ばれていたことに由来する。当時のこの地域には、比較的毛深い人たちが住んでいた、という説もある。
その後この地域は東西に分かれることになり、現在の群馬県の地域が上毛野国、栃木県の地域が下毛野国となり、やがて毛の字が取れて、上野、下野と表すようになった。ただしこの地域は昔から県境を越えた交流があったので、両県にまたがる地域の総称として、両毛という呼び名が使われている。
桐生駅は市の玄関口
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