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わずか1週間で閉店「りゅう社長」"撤退劇"の真相 「話題作り?」との声もあったが実際は全然違った

東洋経済オンライン / 2024年10月25日 8時30分

「小さな物件でもお店ができるようにしておけば、今後の出店スピードが速められるだろうと考えました。5坪でもスタンディングやテイクアウトのお店であれば出店は可能です。ここで、『大つけ麺博』を街ナカでやってしまおうというアイディアが思い浮かびました」(りゅう社長)

りゅう社長は「大つけ麺博」級の集客力のある街はどこか考えた。こうして辿り着いたのが“観光地”だった。ここから観光地に絞って物件を探すことを決意する。

観光地でテイクアウトしてもらうということは、ラーメンを店頭で渡して、お客さんに食べ歩きをしてもらえればベストである。しかし、このスタイルを「鈴の木」で出している油そばでやろうとすると難しさがあった。提供までの時間がかかりすぎるのである。提供スピードを上げるためには茹で時間の短い細麺で作り上げる必要があった。

そのために開発されたのが、麺の上にとびっこをのせた「とびっこ東京」だった。

茹でた細麺の上にタレと油をかけ、上にとびっこをのせたシンプルなまぜそばである。これを4月の栃木県小山市のラーメンイベントで提供してみることにした。

メニューの発想のきっかけは、高田馬場にある「博多ラーメン でぶちゃん」で提供されていた「とびっこチャーハン」。見た目にも絵力があり、美味しくて人気のあるこのメニューに注目した。

「とても魅力的な商品で、これをラーメンとして作れないかなと思ったのがきっかけです」(りゅう社長)

茹でた麺をお碗に移し、それを皿の上にパカっと移すことでチャーハン状の丸いフォルムができあがる。ここにホタテや鯛のベース、油をかけ、上にとびっこをのせて完成だ。

「観光地で勝つためには“映え商品”にすることが大事です。そのためには写真を撮りたくなるラーメンに仕上げる必要がありました。色ではなくフォルムで見せられる商品作りは、これまでラーメン店がやってこなかった手法です。立体的に絵を見せられるのは『とびっこ東京』の強みだと思います」(りゅう社長)

浅草と鎌倉で物件を契約も、浅草で大失敗

こうして「とびっこ東京」が出来上がった。「ラーメン」や「油そば」という名前がついているとお客さんが固定観念を持って食べに来るので、それを避けるために、今までになかった新しい食べ物ということで「とびっこ東京」と名付けた。「と」が2つ続く語呂がよくキャッチーな名前にした。

観光地で「とびっこ東京」を展開することは決まり、あとは物件を決めるだけという段階になった。2024年も残り半年になり、大きな挑戦をしようと、りゅう社長は7月に浅草と鎌倉の2つの物件を同時契約した。

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