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わずか1週間で閉店「りゅう社長」"撤退劇"の真相 「話題作り?」との声もあったが実際は全然違った

東洋経済オンライン / 2024年10月25日 8時30分

浅草店を先に流行らせて、その後鎌倉に進出するというストーリーを描いていたりゅう社長は、8月25日に浅草に「とびっこ東京」の1号店をオープンした。準備万端で臨んだはずだったが、これが大失敗となる。

「浅草のごった返している人混みを見て、集客には全く困らないと思っていました。看板を出しておけば最低限の数のお客さんは来るだろうと高を括っていたのです。しかし、それは甘い考えでした」(りゅう社長)

古きよきものが愛される街・浅草に、今まで誰も見たことのないものを持ってきてしまったことで、「とびっこ東京」は誰にも見向きもされなかった。

インバウンドを意識して価格も高めの1000円に設定していた。全くお客さんが来ず、焦ったりゅう社長は呼び込みを開始した。しかし、浅草で呼び込みを行うことはタブーだった。外国人観光客が嫌がってしまい、むしろ逆効果になってしまうからである。

ここから得意のSNSなどデジタルでの集客を行ったが、周りの住民を無視した展開に集客が上向くことはなかった。

「完全に商売をナメていました。『鈴の木』が上手くいっていたこともあって舞い上がっていたんだと思います。オープン前には必ずやるポスティングもしていませんでしたし、商売の基本を全く忘れていました。

このままでは集客に1年以上かかってしまい、35歳までのりゅう社長3年計画が崩れてしまうと思い、オープンから2日で閉店を決意しました」(りゅう社長)

ここでりゅう社長は銀座の喫茶店で「ラーメン凪」の店主・生田悟志さんに会う。生田さんはりゅう社長が何かと相談に乗ってもらっている数少ない先輩だった。生田さんはりゅう社長の表情から何かを感じ取ったのか、心配してくれた。

「生田さんは観光地で出店すること自体の難しさを教えてくれました。オープンして2日目からすでに撤退を考えており、実は鎌倉の物件も借りていることを話し、2人で大笑いしました。生田さんは破天荒すぎる僕の行動に大笑いし、自分でもあまりの大失敗に笑いが出ました。これが悔しさや自分への呆れを通り越した瞬間でした。

生田さんから『大失敗した人しか大成功はできない』という言葉をいただき、これで心がスッキリしたんです。第一線で活躍している生田さんの話に心打たれ、正式に閉店を決めました」(りゅう社長)

雇っていたアルバイトのスタッフ12名にも閉店の説明をし、同条件で池袋の「鈴の木」に異動できるように対応した。こうして8月31日、「とびっこ東京 浅草店」は開店からわずか1週間で閉店した。

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