和田秀樹が解説「脳が衰える習慣・活性化する習慣」 試練が訪れやすい高齢者こそ楽天主義を徹底
東洋経済オンライン / 2024年10月26日 10時0分
反対に言えば、後ろ向きな思いにとらわれ、うつむきがちに人生を送るほどに、脳の働きはしぼんでいってしまうということです。ミスやトラブルをいつまでも引きずってくよくよしたり、後悔したり、そんなマイナス思考のままでいては、前頭葉は錆びつき、衰えていってしまいます。
いったんネガティブな感情にとらわれると、人は自分の不足した部分にばかり目を向けるようになり、欠乏感でいっぱいになってしまうものです。
そういう時は、「角度を変えて考えてみる」ようにしてください。今がどんな状況だったとしても、あなたは多くの宝物を持っているはずですし、これからできることだってたくさんあるはずです。ですからなるべく物事の明るい面を見つめ、楽観的に生きるようにしたいものです。
たとえば、なにか新しいことに挑戦して、思わしくない結果に終わったとします。
そのときは失敗した自分を責めるのではなく、「新しい一歩を踏み出せたなんて、なかなかのものだ」と自分自身を褒め、気持ちを高揚させるのです。
このように「自分で自分を励ます」ことを習慣として持っている人は、脳やメンタルにとって理想的な環境を作り出せることはもちろん、士気高く物事に取り組めるので、結果的にいろいろなことがうまくいきやすくなるでしょう。
社会心理学の実験でわかったことですが、疑い深い人は、意外にも騙されやすくなる傾向があります。マイナス思考の人は、基本的に「他人はすべて悪」という考え方を持っているため、誰が詐欺師なのかを見抜けないためです。
高齢者の方こそ、楽天主義を徹底すべき
一方、日頃から楽観的に物事をとらえ、「基本的に世の中は生きやすく、他人は優しいもの」と思っている人は、不審な点がある人物に対し、かえって違和感を抱きやすく、詐欺被害にも遭いづらくなるのだと言います。
このように、後ろ向きな思いにとらわれることは、洞察力や観察力を低下させるという弊害もあるのです。
私は、人生のさまざまな試練が訪れやすい高齢者の方こそ、楽天主義を徹底すべきだと思っています。物事の一面しか見ない「単眼思考」はうつ病にもつながりやすくなりますから、さまざまなものの見方ができる「複眼思考」も心がけたいものです。
ぜひ、光のほうに目を向けて、明るく物事をとらえるようにしてみてください。「自分にはあれも、これもある」と足し算思考ができる幸せ探しの名人は、脳も心も、みるみる元気になっていきます。
和田 秀樹:精神科医
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