1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 経済
  4. 経済

日米の世論調査はいったいどこまで正しいのか 「10.27衆院選」「11.5大統領選」をリアルに読む

東洋経済オンライン / 2024年10月26日 8時30分

3年前の衆院選では「自民党単独過半数ギリギリ」などの予想もあったが、結果は「絶対安定多数」。11月5日はアメリカの大統領選挙もあるが、世論調査をどこまで信じていいのか(JMPA 代表撮影)

いやはや、大変な時期を迎えている。

この週末、10月27日はわが国では衆議院議員総選挙、そして来る11月5日はアメリカの大統領選挙と議会選挙である。日米の選挙が10日以内に接近していて、いずれも不透明極まりない、ということがかつてあっただろうか。

2021年の衆院選では多くのメディアが「大外れ」

とりあえず日本の総選挙は間もなく結果が出る。メディア上では「自民党大敗」という予想が飛び交っていて、石破内閣は総辞職に追い込まれる、選挙後は新たな連立工作が始まるぞ、などと気の早い声もある。

しかるに皆さん、3年前の衆議院選挙のことをもうお忘れなのだろうか。あのときは世論調査が大外れだったのである。

2021年10月31日に行われた前回の総選挙では、NHKが午後8時時点で「自民党は単独で過半数(233議席)に届くかどうかギリギリの情勢」と伝えたものだ。ところが翌朝になってみたら、自民党はなんと261議席と絶対安定多数を超えていた。逆に立憲民主党に関しては、「選挙前の109議席から議席を増やす勢い」と報じたが、実際には13議席減という結果に終わった。

翌11月1日の新聞各紙はおおわらわだった。朝刊は各版の締め切りごとに、見出しや文章の修正を迫られた。岸田文雄首相の写真は当初は暗い表情のものが使われていたが、最後は笑顔のものに切り替えられた。

これで「ウチだけが間違えました」ということなら責任問題になるけれども、「皆がそろって間違えました」となると反省もおざなりになってしまう。世論調査は重要な社会インフラだと思うのだが、そろいもそろって大外れであった。ところが当事者たるメディア各社は深く反省した様子もなく、3年後になったら似たようなことを繰り返している。こんな報道には、うかつに乗せられてはなるまいぞ。

ちなみにNHKは、ネット上の「政治マガジン」(2021年11月5日号)において、ちゃんと自己検証(衆議院選挙 NHKの議席予測はなぜ外れたのか)を行っている。立派な心掛けだと思うのでリンクを張っておこう。

NHKは期日前投票も含めて全国4000カ所で出口調査を行い、33万8000人から回答を得たという。これだけの「人海戦術」を実施して、結果が大外れだったのだから、悔しさはひとしおだったことだろう。

難しかった「コロナ禍での出口調査」

もっともこの謎解き、そんなに難しくはないと思う。2021年秋はまだコロナの真っ最中、出口調査において聞く側も聞かれる側も、まだマスクをしていたはずだ。それ以前の出口調査とは、まるで雰囲気が変わってくる。たぶん投票行動を尋ねても、他人行儀の答えしか返ってこない。いや、知らない人との会話を避ける保守的な有権者もいただろう。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

複数ページをまたぐ記事です

記事の最終ページでミッション達成してください