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「大谷ハラスメント」と騒ぐ人たちに欠けた視点 "煽るメディア"と"怒る視聴者"が心がけたいこと

東洋経済オンライン / 2024年10月26日 9時30分

また、27日に衆議院議員選挙の投開票が行われる中、その前後で大谷選手を大きく扱い続けることで、さらなる批判につながる可能性も考えられます。

そのとき、「大谷ハラスメント」の声がどれくらいあがりそうなのか。ハラスメントの成立要件やメディアのあるべき姿などを含め、掘り下げていきます。

「嫌」「不快」ならハラスメントか

まず26日以降、「大谷ハラスメント」の声がどれくらいあがりそうなのか。

ドジャースとヤンキースの本拠地はアメリカの二大都市であるロサンゼルスとニューヨークであり、まさに東西の名門。ともに今年のナショナルリーグとアメリカンリーグ最高勝率チームであり、ワールドシリーズで対戦するのは43年ぶり。さらに50本塁打以上の選手が対戦するのは初めて(大谷選手54本、アーロン・ジャッジ選手58本)などのトピックスが多く、メディアが盛り上げる材料には事欠きません。

全戦放送するフジテレビも連日、報道・情報番組やワイドショーで特集を組んでいるほか、多くのCMを流し、昼の帯バラエティ「ぽかぽか」では日替わりの若手アナウンサーがドジャースのユニフォームを着て出演するなど、お祭りムードを感じさせてきました。

もちろん大谷選手の試合中継や特集を楽しみにしている人が多いのは間違いありませんし、活躍の程度にかかわらず、ワールドシリーズは今年最大の盛り上がりになりそうです。

活躍したらさらに盛り上がりは増すのはもちろん、仮にドジャースが4戦全敗で大谷選手がノーヒットに終わったとしても今年の実績は揺らがないだけに、すぐに1年の振り返り特集に移ってメディアのフィーバーは続くでしょう。その間、「大谷ハラスメント」という声がこれまで以上にあがる可能性を感じさせられます。

ただ、それが「ハラスメントなのか」と言われたら答えは「NO」。自分が「『嫌がることをされた』『不快だった』と感じたからすべてがハラスメントとして認められる」というわけではありません。

テレビと視聴者の間に関係性の明確な優劣や上下はなく、逃げ場のない閉鎖された環境でもないため、「嫌」「不快」と感じたとしても、それなりに回避することが可能。

そもそも放送は自分だけに向けて行われているものではないし、生活や健康などを害されたわけでもなく、権利侵害などの法を犯していないのであれば、ハラスメントとは言いづらいところがあります。

大谷選手から見たハラスメントに

テレビ局としても大谷選手をフィーチャーすることはビジネス上の戦略であるうえに、特定の誰かに明確な損害を与えているわけでもなく、よほど批判の声が増えない限り、対応を変えないでしょう。

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