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丸亀製麺CM「うどん"すする音"」で炎上の世知辛さ 人気CM「永谷園のお茶づけ」は許されていたのに…

東洋経済オンライン / 2024年10月26日 9時0分

永谷園「ただいまお茶づけ中」のCMは許された

「音を立てて食事をするCM」で思い出させられるのが、1997年の永谷園・お茶漬け海苔の「ただいまお茶づけ中」のCMだ。

男性が、電話の音が鳴る中で、一心不乱にお茶づけを食べ続けるという、シンプルなCMだったのだが、大きな評判を生んだ。CM効果で売り上げも好調だったようだ。

このCMが放映された頃、筆者は広告会社の新入社員だったのだが、本CMの出演者がタレントではなく、広告会社の社員であったことも、業界内で話題になっていたことを記憶している。

このCMの中で、お茶漬けを食べる音は大きいのだが、当時「マナーが悪い」「不快だ」といった批判が出ていた記憶はない。

なお、このCMは「お茶づけ海苔」発売70周年を記念して、2022年にそのままリバイバル放送されている。このときも“炎上”は起きていないし、批判的な意見は少数派だったように思う。

さらに、永谷園は今年の1月~2月に「#ただいまお茶づけ中」のハッシュタグを付けて、TikTokに動画を投稿するコンテストを開催している。こちらも炎上はしていない。

食品や飲食店の広告では、「おいしそうに食べるシーン」が非常に重要で、その描き方によって売り上げが変わることも多い。一方で、飲食シーンが入る広告は、食べ方、マナーについて批判が起きることもあり、表現が行き過ぎると、逆効果になってしまうこともある。

なぜ丸亀製麺のCMは物議を醸したのか

同じCMでも、丸亀製麺のものは永谷園とどう違うのだろう? 考えられる点としては、

1. 食べているものが麺であること

2. 放映時期が異なること

3. 出演者が女性であること

といったところだろう。

“ヌーハラ”という言葉が話題になっているから、SNSでネタにされてしまったというのも大きいように思える。

また、「作られた炎上」は数年前から見られたが、そのトレンドはここ1年くらいで加速している。

丸亀製麺のCMが2016年以前に放映されていたら、問題にはされなかっただろう。永谷園「ただいまお茶づけ中」のCMがリバイバル放映されたのと同じ2022年だったとしても、物議を醸すことはなかったのではないかと思う。

3点目についてだが、近年「性別による役割分担」は批判されやすくなっているし、性別の境界線自体が曖昧になっている。広告表現においても「男性らしさ」「女性らしさ」のステレオタイプは避けるようになってきている。

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