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「北朝鮮がロシア派兵」その情報に現実味はあるか 兵士1万2000人、砲弾800万発…北朝鮮はできるのか

東洋経済オンライン / 2024年10月26日 8時20分

2024年6月、韓国の申源湜(シン・ウォンシク)国防相はアメリカメディアとのインタビューで、北朝鮮はコンテナ1万個、500万発相当の砲弾をロシアに送ったと指摘している。となると、北朝鮮の生産能力の2年分以上の砲弾を送っていることになる。当然、北朝鮮国内で配備・備蓄すべき砲弾量は相当なものになるだろう。

またアメリカ大統領府によれば、2022年のウクライナ戦争開始から2023年のほぼ1年間、ウクライナへ支援した砲弾数は100万発以上だという。ヨーロッパの支援国も年間100万発を目標としていたが、実際には半分しか供給できなかった。

ちなみに、日本の自衛隊が保有する砲弾数は、保有する弾薬量を155ミリメートル砲弾1個=50キログラムで換算すると約25万発規模となる。

砲弾など北朝鮮はどこまで製造できるか

ウクライナやアメリカからみると、このような規模感になるが、実際に北朝鮮の事情はどうか。

北朝鮮から聞こえてくる指摘を総合してみると、北朝鮮はロシアに砲弾などを送ることはできるが、はたしてロシアが満足できるような、あるいは満足できる戦闘ができるほどの十分な量の砲弾を送れるだろうかという声が強い。それは、ロシアのほうがはるかに軍事大国で軍事産業大国だという認識と現実があるからだ。

ロシアの砲弾生産数は、アメリカ・CNNの報道によると月間約25万発、年間で300万発以上を生産できるという。これはヨーロッパのウクライナ支援国全体の生産量の3倍以上となる規模だ。

もし北朝鮮がすでにコンテナで1万~1万3000個分の砲弾を送ったとし、韓国国防相が指摘したように500万発相当の分量だとすれば、北朝鮮の生産量も、在庫があったとはいえ相当な規模になる。現在、ウクライナの戦場では1日2万発の砲弾が必要だともされている。

一方で、ロシア極東・ウスリースク近郊の工場では、北朝鮮の生産機材を使った弾薬生産プラントが稼働中と韓国紙が報道している。これによれば、ロシアでは老朽化して動かない砲弾生産機材を北朝鮮が現役で使っており、その機械を輸送して生産に入ったといった情報がある。

話はそれるが、仮にロシア海軍艦艇が数回北朝鮮と往復したのであれば、兵士の代わりにロシアが北朝鮮に何かを持ってきた可能性がなくはない。もしそれが核開発やミサイル開発にかかわるもの、あるいは原子力潜水艦の建造に核心的なものを輸送したのであれば、将来的には東アジアの安全保障に深刻な影響を及ぼしかねないことを留意しておくべきだろう。

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