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「北朝鮮がロシア派兵」その情報に現実味はあるか 兵士1万2000人、砲弾800万発…北朝鮮はできるのか

東洋経済オンライン / 2024年10月26日 8時20分

訓練を終えればウクライナの前線に向かう可能性を指摘したが、「兵士は船で北朝鮮東部の元山(ウォンサン)付近からウラジオストクに移動した」と発言した。韓国の国家情報院が発表した「清津、咸興」とは違い、元山だと指摘している。韓国側のリリースにはない地名だが、この情報の齟齬はどこから来ているのか。

こうした動きをみて、北朝鮮の金与正・朝鮮労働党副部長は「核保有国を相手に働いた軍事的挑発というものが、どんな危険窮まりないものかについては世界のすべての大小国家の政治家や軍事化が正常な思考によって体験してみると想像すらむごたらしいことであり、そのような事例は最近、韓国とウクライナの連中を除いていないだろうと思う」と反論している。

また、ロシア大統領府のドミトリー・ペスコフ報道官は「北朝鮮との協力は第三国を狙ったものではなく、誰にも心配させることではない。このような協力は続ける。われわれの近い隣人でありパートナーである北朝鮮とすべての分野で関係を発展させており、これはわれわれの主権」と派兵に対して相対的に否定的なニュアンスを出している。

一方でロシアのプーチン大統領は10月24日、BRICSサミットの席上で北朝鮮の派兵について問われ、「もし画像があるというのであれば、何かを反映しているということだ」と派兵を完全に否定しなかったという。

ウクライナと韓国の情報当局が発表内容として示した数字は、実際にはどの程度のどれだけの具体性・実現性があるものだろうか。

派兵に関する人数だが、2000~3000人規模はありうると言える。自衛隊関係者は、AN124で往復しているのであれば、その人数程度の移送は可能だとみる。さらに船舶を使っているのであれば、兵士の移送はより多く行える。

ただ1万人、1万2000人という数字自体には疑問の余地がなくはない。運べるとしても、実際に戦場に送られることを前提にして派遣するのならば、異国の地で他国の軍と共同で作戦を行えるようにするためには、かなりの時間がかかるはずだ。

北朝鮮側の事情

北朝鮮軍の規模は、日本の『防衛白書』によれば約110万人と周辺国でも突出して多い。そのうち3分の2の兵力を、韓国と接するDMZ(非武装地帯)付近に展開させているとされる。一方、日本の自衛隊の隊員数は陸海空合わせて約25万人だ。

1万人規模となれば、各国軍隊の基準からすれば師団級の規模になる。韓国の国家情報院は「北朝鮮が特殊部隊4個旅団、1万2000人を派遣する計画」だと明らかにしている。旅団は師団よりも規模で一段階小さい編成だ。

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