1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 経済
  4. ビジネス

「ほぼ無理ゲー」難関大合格が高校生には酷な事情 試験内容と環境がひと昔に比べて大きく変化

東洋経済オンライン / 2024年10月27日 9時0分

大学入試の難易度は、数年前と比べてどのように変化しているのでしょうか(写真:Fast&Slow/PIXTA)

近年は、ひと昔前に比べて、大学の進学率と上位大学の難易度が上がっています。個別指導塾塾長の小林尚氏と推薦入試専門推進塾塾長の橋本尚記氏に、最新の大学入試事情について聞きました。

※本稿は小林尚・橋本尚記著『提出書類・小論文・面接がこの1冊でぜんぶわかる ゼロから知りたい 総合型選抜・学校推薦型選抜』から一部抜粋・再構成したものです。

大学進学者は増えているか減っているか

みなさんの周りで「大学入試なんて簡単だよ!」という先生や先輩は見たことがないですよね。むしろ、「入試は大変なんだ!」「受験は早くから準備しないと間に合わないぞ!」と、高校生のみなさんはあおられているくらいです。……実際はどうなのでしょうか。大学入試の難易度は、数年前と比べてどのように変化しているのか、確認をしていきましょう。

【図表を見る】難関大の偏差値を10年前と比較

早速ですが、大学の進学者数にかかわるクイズを出します。読み進める前に、かならず考えて、答えを1つ選んでくださいね。

Q.2013年度の大学進学者数は約60万人でした。
では10年後の2023年、約何人が大学に進学したでしょうか?

➀52万人   ➁58万人   ➂62万人

……実は答えは➂。約62万人でした。少子化の時代ですから、大学進学者は減っていると思ったかもしれませんね。しかし実はここ10年で少し増加していたのです。

難易度についてはどうでしょうか。難関大学の2014年度と2024年度の偏差値を比べてみると、次の表のようになります。一部の大学・学部では偏差値が上がっていることがわかりますね。

共通テストになり難易度がアップ

大学入試の難化を説明する理由はいくつか考えられます。まず1つ目が、共通テストです。大学入試改革の一環でセンター試験が共通テストに変わりました。これがなかなかの曲者です。

一般的には、「知識」重視から「考える力」重視に変わったといわれますが、問題量が増大し、とにかく速く処理することが求められるようになりました。簡単な問題を速く解くだけならよいのですが、問題の難易度は変わりません。つまり、試験としての難易度は上がってしまったのです。受験生にとってはたまったものではありませんね。

たとえば、英語を見てみましょう。もともとセンター試験の英語は全部で4000語程度でしたが、共通テストになって6000語を超えてしまいました。

これは、従来の発音問題や文法問題がなくなり、長文読解問題に変わったことや長文1つあたりの語数が増えたことによるものです。数学でも、問題文が長くなり、これまで20ページ前後だった問題用紙は30ページ以上になりました。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

複数ページをまたぐ記事です

記事の最終ページでミッション達成してください