「4浪建築学科合格」でも、彼が語る"努力の虚しさ" 学校でのいじめや親との関係で悩んだ日々
東洋経済オンライン / 2024年10月27日 7時10分
そして、この年も現役・1浪のときのように国立の医大を受けましたが、不合格に終わりました。
「常に(精神的に)きついと思って勉強していました。成績は伸びませんでしたが、受験を辞めるという選択肢はなく、大学に受からなければ先はないと思っていたんです」
そう考えて3年目の宅浪に突入したものの、この年は前年度より勉強時間がガタッと落ちて10時間程度の勉強になり、気力が出なくなった1月以降は5時間程度まで下がってしまいました。
この年は全体的に記憶がおぼろげで、防衛医科大学校と群馬大学医学部を受験したのは覚えているそうですが、それ以外については思い出せないそうです。
「精神状態が限界で、心療内科・カウンセリングを継続して受けました。もう座っているのがきつくて、まともに頭が動かず、指も動かない状態が続きました。勉強はそれまでと同じようにしていたはずですし、医大も受けたはずですが、この年のことはほとんど覚えていません」
模試の成績が去年と変わらなかったことくらいしか覚えていない安藤さんは、結局この年の受験も振るわず、ついに父親に相談をします。
それは「いくら勉強しても成績が上がらないから、切り捨てたかったら切り捨てろ」という衝撃的な内容でした。
「大きな作物を育てるために苗を引き抜くことを『間引く』といいますが、私はよく親に『出来が悪かったら間引く』と言われていました。だから、弟や妹の進学にもお金がかかるし、家にとって損だと思う人間なら切り捨ててほしいという内容を伝えたんです。
でも、それを伝えたら『普通の人が卒業したとき、お前は無職か浪人なんだからな。(不憫だから)今回だけは予備校代を出してやる』と言われて、初めて予備校に通うようになりました」
4浪目で初めて予備校に通う
4浪目にして初めて予備校に通うようになった安藤さんは、今までの自分のやり方の失敗に気づくことになります。
「やり方が悪かったのです。親は受験戦争を勝ち上がってきたタイプなのですが、その勉強法は丸暗記でした。当時はそれで大学に合格できたのですが、自分たちの世代は覚えたところで、覚えていることが試験でそのまま聞かれるわけではないので、丸暗記だけでは通用しません。
高校のときは知らず知らずのうちに授業で復習をしていたから、成績が保てていたのかなと思いました。あとはやはり、長時間勉強というのは物理的に無理がありました。机の前にいるけど、気がつけば深夜ラジオに集中していたというように、勉強らしい勉強は集中してできていなかったのだと思います」
この記事に関連するニュース
-
「武蔵から2浪東北大」浪人後悔した彼が叶えた夢 高校生活は充実していたものの成績は低迷
東洋経済オンライン / 2024年11月24日 7時40分
-
「6浪で医学部合格」秀才だった彼女の選択の過ち【再配信】 受験科目の選択ミスが人生を大きく左右した
東洋経済オンライン / 2024年11月18日 14時0分
-
多浪「上智神学部」受験コスパに固執した彼の改心 商業高校から現役で静岡大に合格したものの…
東洋経済オンライン / 2024年11月17日 7時50分
-
「7浪で一橋に合格」父と先生が放った強烈な一言【再配信】 一橋にこだわった理由、猛勉強した彼のその後
東洋経済オンライン / 2024年11月13日 14時0分
-
「同志社蹴って地元で進学」彼が下した決断の背景 60年の人生に大きな影響を与えた浪人生活
東洋経済オンライン / 2024年11月10日 7時30分
ランキング
-
1ローソンストア100「だけ弁当」第12弾は「イシイのミートボール」とコラボした「だけ弁当(イシイのミートボール)」
食品新聞 / 2024年11月23日 20時40分
-
2副業を探す人が知らない「看板広告」意外な儲け方 病院の看板広告をやけにみかける納得の理由
東洋経済オンライン / 2024年11月23日 19時0分
-
3【独自】所得減税、富裕層の適用制限案 「103万円の壁」引き上げで
共同通信 / 2024年11月23日 18時57分
-
4「中間管理職を減らしたい」企業の盲点 リストラで起こる、3つのリスクに備えよ
ITmedia ビジネスオンライン / 2024年11月24日 8時0分
-
5《ガスト初のフレンチコースを販売》匿名の現役スタッフが明かした現場の混乱「やることは増えたが、時給は変わらず…」「土日の混雑が心配」
NEWSポストセブン / 2024年11月23日 16時15分
複数ページをまたぐ記事です
記事の最終ページでミッション達成してください