そこそこ健康な89歳「共同生活を選んだ」深い理由 老人ホームやシェアハウスとも違う「終の住処」
東洋経済オンライン / 2024年10月27日 12時0分
オーナーの藤井さんが2015年11月に立ち上げたおでんせは、2022年11月に一般社団法人おでんせ中の島として法人化された。居住者全員が社員となり、初代理事長には藤井さんが就任。そして今年、小森さんが2代目理事長に就任した。
小森さんは、70歳から80歳までの10年で現れる肉体の変化は、暮らし方にも影響が出ることを実感している。
まず、耳が遠くなる。足腰が弱くなる。物覚えが悪くなる。そうした体の不便が、ときに人をわがままにする。自分で物事を決められなくなる。だからこそ共同生活が支えになると、小森さんは思う。
「今、ここで暮らしているのは、似たような年代で、一人暮らしに不安を感じて、何かつかまりどころというか、人のつながりを探していた人たちです。老化は誰も通る道として衰えをわかり合い、認め合いながら、皆が皆を“見守る目”になっていける。そういう雰囲気作りをすることが、理事長の私の役割だと思っています」
自分を見守ってくれる目があり、自分も誰かを見守る目になる。気になることは事務局スタッフに伝えて情報を共有し、必要に応じて福祉につなげていく。
おでんせができてから9年。最初から入居していた人たちも同じだけ年を取った。すべて自分たちだけで暮らすことは難しく、公的な支援を受ける人も出てきているのが現実だ。
度重なるケガも事なきを得た
実は小森さんは今年1月の早朝、室内で転倒し、左ひざの皿を割ってしまった。
「ベッドで寝ていたら、『小森さ~ん』と呼ばれた気がして、寝ぼけ眼のままベッドから降りようとしたら、脚がもつれてしまって……(笑)」
その3日後、室内で杖を突きながら移動しているとき、杖の先が滑った拍子に転んで、右手首を骨折。どちらの場合もオーナー夫妻に電話をし、すぐに駆けつけてもらって事なきを得た。
65歳以上の一人暮らしが増加し続けている日本。ゆるやかな共同生活のもとで助け合い、必要な支援を受けながら終末までできるだけ自立した生活を送る。56年の一人暮らしの結実として、小森さんはグループリビングを選んだ。
「私の最後の生きる場として最高の出会いです」
【写真】“そこそこ健康な高齢者”の気ままな共同生活!? 小森さんが見つけた「超理想的な住まい方」(10枚)
桜井 美貴子:ライター・編集者
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
優しくしてくれるから、つい…〈年金月20万円、預貯金1,500万円〉堅実に暮らす71歳・元消防士の度重なる「家賃未払い」。駆けつけた息子が目にした「あまりに奇妙な光景」【CFPの助言】
THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年10月24日 11時15分
-
「何かが腐ったみたいな…」隣人との“異臭トラブル”に耐えかねた末、40代在宅主婦がとった「あり得ない行動」
Finasee / 2024年10月11日 17時0分
-
タワマンは「買うべきか」?「持ち家派」「賃貸派」それぞれの主張
THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年10月9日 19時0分
-
高齢者の約8割が一戸建て。住宅に対して感じている問題、不安には何があるの?
オールアバウト / 2024年10月8日 11時30分
-
58歳一人暮らし貯金1億1200万円。将来の施設入所も視野に入れ、老後に備えたい
オールアバウト / 2024年10月4日 22時20分
ランキング
-
1朝ドラ「おむすび」で"ギャル文化"がスベッたワケ 「平成」リバイバルブームが起きているのになぜ?
東洋経済オンライン / 2024年10月28日 9時30分
-
2月2万円稼げる副業7選 - 初心者向け・在宅でできる仕事を紹介【会社員におすすめ】
マイナビニュース / 2024年10月28日 10時29分
-
3「チロルチョコ」がそのまま餡に!世界初(のはず)のコラボたい焼きが期間限定で発売
おたくま経済新聞 / 2024年10月28日 14時30分
-
4話題の「バースデーカラームーン」ってどうやるの?簡単に完成する「CapCut」を使った加工方法を伝授
isuta / 2024年10月23日 20時0分
-
5丸亀製麺CM「うどん"すする音"」で炎上の世知辛さ 人気CM「永谷園のお茶づけ」は許されていたのに…
東洋経済オンライン / 2024年10月26日 9時0分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください