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「光る君へ」ドラマ館、京都市内に開館しないナゼ 最終回まで2カ月「今めぐっておきたい」ゆかりの地

東洋経済オンライン / 2024年10月27日 14時0分

そこで偶然、道長と再会した結果、娘・賢子(ドラマでは南沙良が演じている)が誕生することとなる(『光る君へ』第27回)。ある意味聖地である。

賢子が2人の娘というのはあくまでも『光る君へ』の中だけの創作だが、道長とまひろが石山寺で体を重ねた第27回が放送された日(7月14日)、石山寺の公式Xが「参籠所で添い寝しないでください」「今年の大河の平安貴族は石山寺を何だと思っているのでしょうかでしょうじゃ」とポストして視聴者を盛り上げた。

ほんとうに由々しきことと思っているのか、冗談なのかわからないのだが……。

石山寺は紫式部が「今宵は十五夜なりけり」と『源氏物語』を書き始めたと伝わる神聖な場所である。

十五夜の月を見て書き出したという伝説に基づいて毎年9月に行われている石山寺の秋月祭に、筆者は行ってみた。行くならこの日! と決めていたのだ。

京都駅から新快速で13分でJR石山駅へ、京阪電車(石山坂本線)に乗り換えて2分ほどで石山寺駅に到着。意外と近い。まひろたちが歩いて詣でることも可能だと実感する(Googleマップによれば、このルートを徒歩だと4時間)。

山の上に建った寺は京の雅感とはまた違い、奇岩が趣あふれる場所だった。そして見た、月。鏡のように美しく静謐で、千年も昔、紫式部が見た月かーと感慨無量であった。

石山寺には「安産の腰掛石」というものもあることを知った。大河ドラマチームは賢子を授かった案をこの石を見て思いついたのかもしれない。

すでに15万人も足を運んだ「大河ドラマ館」

この石山寺の敷地内にある明王院という建物の中に、大河ドラマ館が開設されている。

『光る君へ』で使用された衣裳や小道具が展示され、(まひろが石山寺詣をしたときに身に着けていた赤い掛帯も展示されていた)間近でディテールが見られるのは嬉しい。

また、吉高由里子さんなどのインタビューの4K動画なども上映されている。

観光課スタッフの方々の工夫を感じたのは、まひろと彰子(ドラマでは見上愛さんが演じている)の等身大パネル。

作中で人気だった2匹の猫のパネルもあって、猫を抱いた写真が撮れるようになっていた。ひとり旅もいいが、こういうのは連れがいるとキャッキャッと楽しめそうだ。

秋月祭の日は、ちょうど大河ドラマ館が来館数15万人を突破したところだった。

大津市観光振興課の松本久孝さんは

「年間の目標を10万人にしていたのですが、予想以上に来場していただき、目標を16万人に引き上げました。早くも9月で15万人を超えたので、今後秋の紅葉シーズンもあることですし、もうちょっと多くの方に来ていただけるかなと思っています」と抱負を語る。

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