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北朝鮮より中国が鎖国?中国が国境を閉ざす理由 2024年中朝友好年も何もしないまま終了か

東洋経済オンライン / 2024年10月28日 8時20分

北朝鮮・新義州と国境を接する中国・丹東の鴨緑江付近で中国の国旗を売る中国人行商人(写真・Kevin Frayer/Getty Images)

2024年6月18日、ロシアのプーチン大統領が24年ぶりに北朝鮮を訪問した後、中朝関係者の間では、金正恩(キム・ジョンウン)総書記の訪中を期待していたが、実現することはなかった。

いまだ中朝国境は開放されることなく、現在も封鎖が継続している。

盛り上がらない「中朝友好年」

10月6日、中朝は国交樹立75周年を迎えた。2024年は「中朝友好年」と位置づけられていたのだったが、イベントらしいイベントもなく、友好年はこのまま終わりそうだ。「どこが友好年だったんだ?」との嘆き節が、中朝関係者から聞こえてくる。

「コロナ禍が終わり国境封鎖を継続している国なんて世界で中国しかない。異常すぎる。中央政府はなぜ朝鮮をこんなに嫌がっているのか、理解できない……」と、ある中朝貿易関係者は首をひねる。

北朝鮮旅行を手配する旅行業者には「いち早く観光目的での往来を正常化させたロシア経由で北朝鮮へ渡航できなのか」という問い合わせが、中国国内だけでなく、日本からも入るという。

しかし、ロシア・ウラジオストクと平壌を結ぶ高麗航空の定期便は、ロシア人と旧ソ連構成国の国民しか利用できない取り決めになっているそうだ。

詳細は不明だが、中国政府が北朝鮮へ圧力をかけて規制させた可能性も考えられる。当然のことながら、ロシアと比較的に距離が近いとみなされている中国人も搭乗できないことになる。

そんな微妙な中朝関係が続いていたのだが、2024年8月に、ようやく関係の改善を感じさせる事例を確認できた。それは、中国当局に拘束されていた朝鮮族の中国人貿易商が釈放されたのだ。

拘束されていた貿易商らはほぼ北朝鮮貿易の従事者で、2023年末から2024年始にかけて平壌に数週間滞在し、帰国直後に拘束されたという。その数は十数人。

釈放後は、親しい人間にもなぜ拘束されたのかという理由を語らずにいるため、何の容疑だったのかは不明のまま。当局から強く口止めされているようだ。

朝鮮族中国人拘束・釈放の意味

これだけ見ると、「中国政府が中国人を拘束していた」だけにすぎないが、彼らの拘束・釈放は、北朝鮮に対して何かしらのメッセージ、または新たな中朝合意の結果ではないかとみる向きもある。これを「中朝関係好転の兆し」と考えた関係筋もいたようだ。

時を同じくして2024年8月末、中国の旅行業界では「10月中・下旬には中朝国境が開放され、観光目的も含めた往来が正常化する」とのうわさが飛び交った。

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