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オードリー・タン氏実践「睡眠記憶法」の超合理性 睡眠の効能を最大限活用する徹底した工夫

東洋経済オンライン / 2024年10月30日 14時0分

眠る前に読んだものをすべて頭のなかに取り込むには、非常に重要な前提が一つある。それは、知識系の本を読むときには気を散らすことなく、最初から最後まで集中して読むことだ。読みながら内容について判断したり、頭のなかで自分の観点を整理したりしてはいけない。だが実際には、そんな読み方をするのは決して簡単ではない。

「『判断を下さない』ことが一番難しいです。つねに立ち止まって考えながら読んでいたら、ほとんどページが進まず、睡眠中に学べる可能性は限りなく低いでしょう」

睡眠記憶法の成功には、流れを止めずに一気に読むことが条件となる。だが、このような読み方をするには訓練が必要だ。なぜ流れを止めてはいけないのか? 読みながら判断してはいけない理由とは何か?

本を読んでいる途中で、筆者の論点には賛成できないと感じることがある。しかし、この時点で筆者はまだすべての論点を語り終えていないかもしれない。論点がすべて明らかになるのは一つの章、あるいは1冊の本を読み終えてからだ。

本を読みながら頭のなかで筆者に反論し、数ページ読む間にも批判を繰り返したとしても、結局はもともと自分が持っていた考えを強化しているにすぎない。読めば読むほど主観が強まっていくのだ。

夢の中では物事を多角的に見ることができる

読みながら筆者に反論することで、逆に自分なりの考え方が強化されてしまう。その本に関することを人から質問されても、やはり自分の観点から答えてしまうだろう。

しかし、読みながら頭のなかで批判するのを我慢し、ひたすらインプットに徹することで、本と筆者を心のなかにとどめることができる。人から質問されても、本の観点と新たに生まれた自分の観点の両面から、より多角的に答えることができるのだ。

知識系の本、特にページ数が多く事実を整然と描写するタイプの本は、通常なんらかの観点に基づいて記述されている。もし一字一句に主観で反論していたら、最後まで読んでも本の観点は頭に入ってこない。いくら読んでも自分の養分にはならないし、睡眠を通じて読書の記憶が強化されることもない。

「筆者の観点でものを見ることをせず、自身の論点の確認に終始するのは、砥石で主観に磨きをかけているのに等しいことです」

本を相手に論争すれば、筆者がそこにいない以上、必ず勝てると決まっている。

「自分とは異なる観点でものを見る力があれば、複雑な論点もより深く理解することができます」

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