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オードリー・タン氏実践「睡眠記憶法」の超合理性 睡眠の効能を最大限活用する徹底した工夫

東洋経済オンライン / 2024年10月30日 14時0分

眠る前に知識系の本を集中して高速で読む。途中で読むのを中断して考えることはしない。判断も批判もせず、一気に大量の情報をインプットしてから十分な睡眠をとる。そうすれば、目覚めたときに「筆者は筆者、自分は自分」と感じることはない。本の内容は自ら使いこなせる知識として取り込まれ、自分自身の思考の一部となる。これが最大のポイントだ。

目覚めている間の私たちは、特定のやり方やいつもの行動に固執し、自分なりの観点で物事を見てしまいがちだ。しかし、夢のなかでは自我が比較的弱いため、一つの物事を多角的に見ることができる。

批判せずに読むためのトレーニング法

とはいえ、批判せず集中して読み続けるには訓練が必要だ。では、どう訓練すればいいのか? オードリーが提案する練習方法は、日中ほかの人と会話しているときに、相手の話を頭のなかで止めないよう努めることだ。

たとえば、誰かの話を聞いているときには心を完全に開放して聞く。100パーセントの意識を相手に向け、相手が話す内容を先回りして推測しない。最初は自分を制御するのが難しいかもしれない。ならば、まずは一定の時間を設定してみる。

10分間は話を邪魔しないことを相手に約束し、10分が過ぎたら聞いた内容を簡単にまとめて伝える。その間、相手にも話を邪魔しないようお願いする。伝え終わったら、自分のまとめが正しいかどうか相手に尋ねる。いわゆる「積極的傾聴法(アクティブリスニング)」と呼ばれるもので、訓練を通じて習得することができる。

オードリーは最長で1時間、判断を下さず話を聞き続けられるという。これも訓練のたまものだ。「私は超人ではないので、間に休憩したり、飲み物を飲んだりすることも必要です。集中して聞くことにも肉体的には限界があります」。

相手の話す一字一句に共感する必要はない。まず相手の話を最後まで聞き、思考をすべて明らかにしてもらう。聞き終えたら、相手とは経験を共有したことになり、そこから対話を始めることができる。

もし、先に相手を批判したり、特定の言葉を聞いたとたん地雷を踏まれたかのように反論を始めたりすれば、相手からもたらされる情報が自分の養分になることはない。

「ストップウォッチで測ってみるといいでしょう。自分と意見の異なる人と話すことにどれだけ長く耐えられるか。2〜3分しか耐えられなかったら、その結果を睡眠前の読書に生かすのです。3分間は筆者を批判せずに読み、そのまま眠り、長期記憶へと変換させます」

オードリー・タン:元台湾デジタル担当政務委員

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