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東武日光線「合戦場から樅山」駅名何と読むのか? 特急が通過する「難読駅区間」地名に深い歴史

東洋経済オンライン / 2024年10月30日 6時30分

東武日光線で難読駅が連続する区間にある樅山駅。下り線ホームから外に通じる出口は、実際に電車を降りてみないとわからない駅のもう1つの顔だ(撮影:鼠入昌史)

東武鉄道の電車は、日光線の南栗橋駅と伊勢崎線の久喜駅を境にありようを大きく変える。東京都心の地下鉄から直通してくる通勤電車はここまでで終わり。普通列車の運転本数が少なくなり、一気にローカル色が強まってくる。そうして、北関東たる栃木・群馬を目指すのだ。

【写真22枚を見る】いくつ読める?合戦場、家中、東武金崎、楡木、樅山……東武日光線の各駅停車しか停まらない「難読駅名区間」にいったい何があるのか?

日中に南栗橋駅から先、つまり日光線方面へ向かう各駅停車の電車の行き先は2つ。1つは、東武宇都宮線に直通して東武宇都宮駅を終点とする。もう1つは、そのまま最後まで日光線を走り通し、東武日光駅を目指す。この2つの行き先の電車が1時間に1本ずつ交互に走る。

日光線新栃木駅の先には?

日光線と宇都宮線が分かれるのは、南栗橋駅から各駅停車で40分ちょっと走った新栃木駅だ。つまり、新栃木駅から先が、日光線単独の旅ということになる。

今回やってきたのは、日光線。新栃木駅の1つ先、合戦場駅から旅を始めよう。新鹿沼までの途中にある特急が通過する駅にはいわゆる「難読駅名」が多い。

【写真を見る】いくつ読める?合戦場、家中、東武金崎、楡木、樅山……東武日光線の各駅停車しか停まらない「難読駅名区間」にいったい何があるのか?(22枚)

合戦場駅――。この駅は「かっせんば」という名前だけからして、もう興味をそそる。合戦場というからには、何らかの戦があった場所なのか。調べてみると、川原田合戦といい、1523年に宇都宮忠綱と皆川宗成の軍勢が激戦を繰り広げたのだという。

……などと言われても、正直なところピンとこない。関ケ原の戦いとか桶狭間の戦いのような有名な合戦でもなく、歴史好きでなければわからない。だいぶひねった駅名ですねえ。

歴史を感じる合戦場駅

と思いつつさらに調べると、合戦場というのはかなり昔からの当地の地名。少なくとも江戸時代には駅周辺が「合戦場」と呼ばれており、日光例幣使街道の合戦場宿も置かれていたという。となれば、伝統の地名、伝統の駅名といったところだろうか。

そんな合戦場駅にやってくると、駅の周りは案に相違して立派な住宅地。相対式のホームのそれぞれに外に通じる出口はあるが、駅舎は駅の東側。線路と並行している旧例幣使街道の道筋に通じる目抜き通りには、昔ながらの飲み屋が並んだ一角もある。

合戦場駅をはじめとする8駅を管轄する、東武日光駅管区新鹿沼駅長の佐藤将泰さんは次のように教えてくれた。

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