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忙しい時つい見失いがちなビジネスの鉄則とは 起業家として大成功したミュージシャンの教え

東洋経済オンライン / 2024年10月31日 10時30分

起業家志望ではない、生粋のミュージシャンだから示せたシンプルなビジネスの原理とはどんなものでしょうか(写真:Elnur/PIXTA)

音楽に興味のある方なら、「CDベイビー(CD Baby)」という名には聞き覚えがあるかもしれない。

ミュージシャンが起業して大成功

『エニシング・ユー・ウォント: すぐれたビジネスはシンプルに表せる』(デレク・シヴァーズ著、児島 修訳、東洋経済新報社)の著者が、1998年に始めた音楽配信サイトである。

注目すべきは、プロのミュージシャンだった彼が、同サイトを通じ起業家としての成功をつかむまでの経緯だ。

シヴァーズは1969年生まれ。プロのミュージシャンとして生計を立てていたが、自分のCDをオンラインで販売してくれる業者がどこにもいなかったため、「それなら自分でCDを販売してやろう」と思いついた。

独学でプログラミングを学び、CDを販売するサイトをつくった。それが評判を呼び、「君のサイトで自分のCDも販売してほしい」という他のミュージシャンが殺到した。それがCDベイビー誕生のきっかけとなった。

(「訳者はしがき」より)

そう、彼は起業家などではなく、生粋のミュージシャンなのだ。

事実、幼少期からロック・ミュージシャンを志し、ボストンのバークリー音楽大学に入学したという実績も持っている。

卒業後はプロのミュージシャンとして音楽で生計を立て、坂本龍一の日本ツアーにもギタリストとして参加したことがあるという。

CDベイビーは、「自分のCDを販売したいからサイトをつくろう」という思いつきから始めたものであり、つまりはビジネスとしてCDベイビーを大きくしようとは考えていなかったわけだ(それでも、すべて自分でやってしまおうという行動力はやはりすごいのだが)。

しかし創業当時は、折しもドットコムブームのまっただなか。時代の流れに乗って経営者としての仕事に没頭するようになり、大成功を収めたのだった。

本書は、そんなシヴァーズによる2011年の著作『Anything You Want』の翻訳版である。

翻訳には2022年の改訂版が利用されている。「書き忘れていた重要な章」が8つ追加されており、48の項目からなる最終ヴァージョンとなったのだ。

1998年から2008年にかけて、僕はとてつもなくワイルドな経験をした。

ちょっとした趣味として始めたことを、偶然にも大きなビジネスに成長させ、それを2200万ドルで売却したのだ。

周りの人は僕の話を聞きたがり、「いったい、どんなことを体験したの?」と尋ねてくる。僕は、自分の身に起こったことを正直に話す。

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