発達障害かもしれない人の信頼を失わない働き方 ADHD・自閉症併存の声優が22年間皆勤できた秘訣
東洋経済オンライン / 2024年11月3日 18時0分
なぜか異常に物忘れが激しい、ミスが多い……それは発達特性によるものかもしれません。ナレーター・声優として活躍する中村郁さんも、そんな困りごとを抱えつつ、スムーズに社会生活を送るための工夫をしているそうです。中村さんの著書『発達障害・グレーゾーンかもしれない人の仕事術』から一部抜粋・再構成のうえ、お届けします。
持ち物はすべてリスト化する
あなたは、どれくらいの頻度で忘れ物をしますか? 私は家を出発したあと、忘れ物に気づき、5回も引き返したことがあります。その姿を思い返すと、まるで狭い動物園の中で、同じところを行ったり来たりと常同行動を繰り返しているツキノワグマのようです。
そして、何度も何度も忘れ物を取りに家に引き返すとどうなるか……。
そうです。遅刻してしまうのです。学生時代の私のあだ名は「遅刻の女王」でした。
そんな私ですが、ナレーションの仕事をはじめてからは一切遅刻しなくなりました。叱られるくらいでなんとかなる学校や、謝れば許してもらえる友達との約束とは違い(それも回数に限度がありますが)、仕事は一度でも遅刻をしてしまったら……。特に私のような仕事に就いている人は、「遅刻=即クビ」と言っても過言ではありません!
そこで、私が絶対に忘れ物をしないためにしたことが、非常にありきたりですが、持ち物をすべてリスト化することです。ホワイトボード、またはコルクボードを用意して、そこに毎日持っていくものをすべて書き出します。
・スマホ ・スマホの充電器 ・財布 ・時計 ・ナレーションの原稿 ・家の鍵 ・ボールペン ・手帳 ・名刺入れ ・テレビ局の入館証 ・メイク直し道具
私が絶対に忘れてはいけないものはこれくらいです。
「あえて書き出さなくても、そんなもの忘れないんじゃないの」と思ったそこのあなた。油断は禁物です! 「私たちは忘れるのだ」ということを肝に銘じておいてください。
そして、日によっては、公共料金の振込用紙、郵便物、特別な提出物など、絶対に忘れてはいけないものが出てくるので、それを前日に必ず、ボードに書き加えてください。さらに、出かける前に1つ1つ必ず確認してください。原始的な方法ですが、私はこれでずいぶん忘れ物を防ぐことができるようになりました。
もう一度言います。発達障害の私たちは忘れます。必ず忘れるのです。
基本に立ち返り、確認を怠らないようにしましょう。ツキノワグマにならずにすみます。
常に自分を疑う
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