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スバル「レガシィ」国内で消滅、36年の歴史に幕 レガシィ アウトバックが2025年3月で販売終了

東洋経済オンライン / 2024年11月4日 8時0分

レガシィ アウトバック特別仕様車「30th Anniversary」のエンブレム(写真:SUBARU)

SUBARU(以下、スバル)は、フラッグシップモデルと位置づけてきた「レガシィ アウトバック」について、来年2025年3月末の受注以降、国内での販売を終了すると発表した。これに際し、1994年に北米でアウトバックを発売開始以来30年となるのを記念し、アニバーサリーモデルとして、アウトバック特別仕様車「30th Anniversary」を10月に公開した。

【写真を見る】2024年10月24日に発表されたレガシィ アウトバック特別仕様車「30th Anniversary」を中心に、歴代のレガシィなどを振り返る(23枚)

【写真】2024年10月24日に発表されたレガシィ アウトバック特別仕様車「30th Anniversary」を中心に、歴代のレガシィなどを振り返る

レガシィ アウトバックの歴史

アウトバックとは、レガシィのステーションワゴン車となる「レガシィ ツーリングワゴン」をもとに、未舗装路での走行を視野に入れた車種で、未舗装路への需要の多い北米から1994年に発売を開始した。その後、1995年に日本でも発売するようになり、レガシィの選択肢拡大に貢献した。日本では当初、「レガシィ グランドワゴン」という車名で売り出し、3代目レガシィでは「レガシィ ランカスター」と名称を変更している。その後、国内でも「レガシィ アウトバック」と名乗るようになった。

最低地上高(路面から車体床下までの高さ)にゆとりがあることに加え、未舗装路を走ることも視野に入れたタイヤ銘柄を装着し、さらに外観では前後ホイールアーチに車体保護機能も考慮したオーバーフェンダーを備えるなど、いかにも悪路走破性に長けたクルマにみせる工夫が盛り込まれている。

レガシィは、1989年に、それまでの「レオーネ」に替えてSUBARU(当時は富士重工業)を代表する上級車種として誕生した。

「スバル1000」以来の水平対向型エンジンを搭載し、2リッターの排気量を軸としながら、1.8リッターと2リッターターボエンジンを選択肢に加え、5ナンバーの上級車種として十分な性能を満たしていた。レオーネが基本的にスバル1000の技術を継承していたのに対し、レガシィは一から開発が進められ、最大の特徴は、車体剛性の高さにあった。

車体剛性にこだわった技術者の挑戦

1990年前後、日本の自動車メーカーで車体剛性を売りとした車種はほかになかった。エンジン性能やサスペンション形式などに比べ、車体剛性は消費者にわかりにくく、売りにつながらないと考えられたからだ。トヨタのGOA(グローバル・アウトスタンディング・アセスメント)ボディが登場するのも、1995年末になってからのことである。そうした時代に、車体剛性にこだわったレガシィの誕生は、技術開発を一から進められる機会を得て挑んだ技術者の、原理原則に徹する真摯な志を表していた。

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