ベースフードに急浮上の大株主「食品のテスラだ」 「こんなチャンスは一生に何度もない」と大投資
東洋経済オンライン / 2024年11月4日 8時20分
厳しい業績にもかかわらず、株式市場で投資家から熱い注目を集める企業がある。「完全栄養食」としてパンやパスタなどを展開し、自社ECサイトや小売店で販売するベースフードだ。
【図表】ベースフードは今期ようやく黒字化が見えてきたところだが…
同社は10月15日、中間決算の発表と同時に通期業績予想を下方修正した。期初計画の売上高190億円を157億円、営業利益1.6億円を5100万円とした。総菜パンなど新商品の不調が下方修正の要因だった。
ところが、下方修正にもかかわらず、ベースフードの株価は翌日の10月16日にストップ高となった。
決算と同時に農林水産省の「中小企業イノベーション創出推進事業」に採択されたと発表し、来期以降18億円超の補助金が得られることが材料視されたようだが、これは始まりに過ぎなかった。
全力で買い進む意外な人物
大株主に急浮上したのはパソコン周辺機器大手のバッファローを傘下に持つメルコホールディングスの牧寛之社長だ。同氏が10月16日にベースフード株を8.36%保有していることがわかると、それを材料に買いが先行することになる。
牧氏はその後も毎日のように買い進め、11月1日時点で保有割合はついに30.19%に達した。ベースフード創業者・橋本舜社長の33.67%(8月末時点)に次ぐ割合とみられる。
牧氏が11月1日までに投じた金額は約65億円。変更報告書では保有目的を「主要株主として長期安定保有します。重要提案行為等を行う予定はありません」としている。
長期保有が目的とはいえ、あまりにも大胆に買い進んだため、なぜ保有しているのか。なぜ今だったのか、いつまで持ち続けるかなど疑問は広がるばかりだ。
こうした疑問点を牧氏に直撃すると、弁護士を通じて10月31日夜に回答があった。以下、牧氏による説明をポイントを絞って掲載する。
・ベースフードに投資をする理由について
大変将来が有望な会社。「ベースフードは食品業界のTESLAになる可能性がある」と10月15日に発表された決算資料から強い確信を持つに至った。
株券の保有については全額を制度信用取引の買建により、立花証券を通して行っている。信用取引だが、一定の段階で現引(※編集部注 株式を売却せずお金だけを返済し、現物株を受け取る方法)等を行う予定で考えている。
・10月16日に投資を開始した経緯
上場企業経営者として、また広義の食品業界関係者として、決算発表は欠かさずにチェックしていた。10月15日の決算発表資料を読み、このようなチャンスは一生に何度もないと判断し、個人の財産からできる限りの投資をしようと決断した。
この記事に関連するニュース
-
株価のパフォーマンスと企業収益の「断ち難い関係」とは【資産運用のプロが解説】
THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年10月30日 8時15分
-
なぜ「セブン-イレブン離れ」が起きているのか…お荷物の「イトーヨーカ堂」を捨てられないセブン&アイの苦悩
プレジデントオンライン / 2024年10月28日 9時15分
-
ベースフード、赤字拡大と下方修正でも株高の背景 通期予想は黒字を死守、意外な人物が大株主に
東洋経済オンライン / 2024年10月22日 9時30分
-
活況を見せる東京メトロIPO
財経新聞 / 2024年10月21日 16時4分
-
アングル:日本企業の中間決算、上方修正の期待 株高連動か不透明
ロイター / 2024年10月17日 17時24分
ランキング
-
1東京証券取引所が取引時間を5日から30分延長 市場の活性化が狙い
TBS NEWS DIG Powered by JNN / 2024年11月4日 18時23分
-
2クレジットカードの正しい使い方は?持つなら多くても2枚までがベスト!【FPが解説】
THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年11月4日 11時0分
-
3ベースフードに急浮上の大株主「食品のテスラだ」 「こんなチャンスは一生に何度もない」と大投資
東洋経済オンライン / 2024年11月4日 8時20分
-
4「スシロー」、国内の全正社員対象に平均6%の賃上げ…初任給は最大2万5000円
読売新聞 / 2024年11月4日 20時47分
-
5NYダウ反落、終値は257ドル安…大統領選前にリスクオフで一時400ドル超の下げ
読売新聞 / 2024年11月5日 6時28分
複数ページをまたぐ記事です
記事の最終ページでミッション達成してください