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中小企業が「太陽光発電」を導入するメリット3つ "脱炭素経営への無関心"は資金調達にも不利に

東洋経済オンライン / 2024年11月5日 15時0分

たとえば、自社の事業所や工場の屋根に太陽光パネルを設置する場合、PPAでは第三者(エネルギーサービス会社)が無償で発電施設を設置し、電力の購入契約を取り交わして、需要家は使用する分の電気料金を支払います。通常、10年から20年の長期間の契約となり、その間、料金は原則として固定です。この自社の敷地内に設置する方式を「オンサイトPPA」と呼びます。

これに対して、敷地外の遠隔地などに設置された発電所から電気を購入する方式は「オフサイトPPA」と呼びます。電気を送る送電線を利用する費用(託送料)などがプラスされるため、オンサイトPPAに比べると電気料金は割高になります。

オンサイトPPA方式のメリットとデメリットをまとめておきましょう。脱炭素化に役立つことや緊急時対応は購入方式と同じですが、何より、

・初期費用が必要ない

・エネルギーサービス会社が管理するので、設備を維持する費用や手間がいらない

というのが大きなメリットです。逆に、デメリットとしては、

・サービス料金が上乗せされるので、購入方式よりも電気料金が高くなる

・長期契約なので、設備の撤去や建物の改修が困難

などがあります。また、契約内容が複雑になるので、締結時には慎重に精査する必要があります。

自家消費型太陽光発電にかかるコスト

購入方式の場合、電気料金はかからず、発電施設の設置費用はおおよそ次のように見積もることができます。

最新の経済産業省が公開した資料によると、太陽光発電施設(屋根置き10kW以上、2023年)の平均設置費用は、1kWあたり23.9万円です。これにパネルの合計容量(kW)をかければ全体のコストが算出できます。

一方、PPAでは、施設の設置費用はエネルギーサービス会社が負担しますが、電気料金を支払う必要があります。

オンサイトPPA方式にかかるコストを自然エネルギー財団が試算したのが図表3です。1kWhあたり15~18円というのが、オンサイトPPA方式で需要家が支払う料金の目安になります。

オンサイトPPA方式(購入方式も同様)では、再生可能エネルギー発電促進賦課金や託送料(送電線の利用料)がかからないので、通常の電気料金(ここでは高圧契約)に比べて、かなり安くなります。

図表3の発電コストには、発電施設を所有するエネルギーサービス会社のコスト(諸経費や利益)も含まれているため、購入方式の場合は、これよりさらに安くなる可能性が高いと考えられます。

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